落ちる所まで落ちたと
嘆いていたらその先に
もっと深く暗い穴が
待ち受けていて
とうとうここまで来たかと
思いがけず涙ぐむ
白や青の錠剤を
口の中に放り込み
投げやりな気分でいた
その先にまた
笑うようにぽっかりと
口を開けている穴
もはや
抵抗する気力も無く
吸い込まれるように
落ちて行くのを
無気力に受け入れながら
巡らせる思考
偶然を疑うような運命や
変えようもない宿命が
誰のせいでも無い事を
どこかで知っている
誤魔化しの無い
自分のままでいる事や
誠実でいる事の
難しさや虚しさ
良い人でいる事の
滑稽さや無意味さ
答えがあって欲しい
そんな事を思いながら
目覚める度に感じていた
あの絶望を思い出す
確信の持てない選択と
求めていなかった結果
結果の先にも道は続き
欲望だけが生きる証
思考の先にも
上にも下にも
何の応えも
果ても無い
「落ちていく」
11/23/2022, 11:17:25 PM