副菜

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6/4/2025, 9:27:22 PM

自分が納得して離れられるまで、満足いくまで、とことん好きでいよう。何も期待しない、見返りは求めない。会いに来てくれるだけで幸せ、そう言い聞かせて過ごしてきた3か月だった。初めて一緒過ごした夜は季節外れの雪の日で大きな傘を持って行った。外は寒くて初めて繋いだ手は大きくて温かかった。天気予報士が記録的な雪だと説明している声を聞きながら抱き合った。春が来て、全国の花畑の特集をみながら綺麗と言ったあなたが意外だなあと思ってそう伝えた。少し不機嫌そうによく言われるけどそんなことないと答えたけど、どうも花畑にあなたが居るところは想像つかない。やっぱり、人間は欲が出てしまうようで、都合いい関係を辞めて安定した関係を築きたいと思ってしまった。そう願ってしまうとこの関係は破綻する、分かっていても、隣に居るうちに次に会う予定を立てたり、2人で遠くに出掛けしたり、友達に紹介し合ったり、そういうことをしてみたいなあと想像してしまって苦しくなる。本当に好きだけど付き合えないと泣くあなたをみて、お前が泣くなよと言いかける。わたしが居なくても傷のひとつも感じないようなあなたが。わたしは今すぐにあなたから離れることは出来ないけど、ゆっくり離れる準備をしてる。あなたが居なくてもわたしがひとりで生きていけるように。だからそれまではこれは愛として、大切にしてくれないかな。

#25 恋か、愛か、それとも

5/14/2025, 2:22:34 PM

そこにあるのが当たり前になりすぎて、その存在意義や有り難さ、本質や受けている恩恵などに思考を向けることはほとんどない。無ければ命を継続することすら難しいのにも関わらず。それは家族のようで、友人のようで、恋人のようで、無くなることを想像すると、まるで生きていける気がしない。大事なものは意識して大事にしたい。

#24 酸素

4/26/2025, 7:03:49 AM



雨粒か窓を叩く音で目が覚めてがっかりした。今日は誕生日だけど仕事へいく。せっかく休みを取ったのに予定がないということになったら、余計に寂しくなりそうだったからあえて休み希望は出さなかった。どんよりした灰色の空を想像して玄関のドアを開けたが、眩しいくらいの青空広がっていた。滝のように雨は降っていたけれど、空から差す光と一緒に地面に落ちていて、とても綺麗だった。新しい自分になれと洗い流してくれているような、天からも祝福されているような、そう思える、ただの晴れとはまた違う、いい天気だ。

# 23

4/24/2025, 2:32:59 PM

どんな出会いにもきっと、人生においてなにかの意味がある。ひたむきで真っ直ぐに生きるあなたと出会って、わたしの色褪せた毎日は自らの意志を持ったように色付いたけれど、それと同時に自分という器の中に何も入っていないということ、その不甲斐なさを痛感した。嘘はつかないと言いながら嘘をつくあなたと出会って、どんなことにも絶対なんてことはなくて、信頼とか約束とかそういうものはいとも簡単に壊れてしまうものだと分かった。何事も純粋に信じて居られたらそれは一見幸せなのだろうが、裏切られたときに受ける傷の深さを想像すると、羨ましいとは思えない。人は人に出会って、良くも悪くもお互いに影響し合い生きていく。

#22 巡り逢い

3/25/2025, 2:55:54 PM

それは不確かで、曖昧で、都合のいいものだから。できるだけ正確に、鮮明に、繊細に、声も匂いも感覚までも、何もかも全部覚えておきたくて。

#21 記憶

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