雨粒か窓を叩く音で目が覚めてがっかりした。今日は誕生日だけど仕事へいく。せっかく休みを取ったのに予定がないということになったら、余計に寂しくなりそうだったからあえて休み希望は出さなかった。どんよりした灰色の空を想像して玄関のドアを開けたが、眩しいくらいの青空広がっていた。滝のように雨は降っていたけれど、空から差す光と一緒に地面に落ちていて、とても綺麗だった。新しい自分になれと洗い流してくれているような、天からも祝福されているような、そう思える、ただの晴れとはまた違う、いい天気だ。
# 23
どんな出会いにもきっと、人生においてなにかの意味がある。ひたむきで真っ直ぐに生きるあなたと出会って、わたしの色褪せた毎日は自らの意志を持ったように色付いたけれど、それと同時に自分という器の中に何も入っていないということ、その不甲斐なさを痛感した。嘘はつかないと言いながら嘘をつくあなたと出会って、どんなことにも絶対なんてことはなくて、信頼とか約束とかそういうものはいとも簡単に壊れてしまうものだと分かった。何事も純粋に信じて居られたらそれは一見幸せなのだろうが、裏切られたときに受ける傷の深さを想像すると、羨ましいとは思えない。人は人に出会って、良くも悪くもお互いに影響し合い生きていく。
#22 巡り逢い
それは不確かで、曖昧で、都合のいいものだから。できるだけ正確に、鮮明に、繊細に、声も匂いも感覚までも、何もかも全部覚えておきたくて。
#21 記憶
あなたを待っている時間に花屋を見つけた。喜ぶ顔がみたくて、柄にもなく花を買った。わたしが好きなピンク色のばら。大好きなあなたにあげたいと思った。
#20 一輪の花
あなたが持ってる幸せはわたしには無いもので、
私が持ってる幸せはきっとあなたには持てない。
#19 幸せとは