あなたを待っている時間に花屋を見つけた。喜ぶ顔がみたくて、柄にもなく花を買った。わたしが好きなピンク色のばら。大好きなあなたにあげたいと思った。
#20 一輪の花
あなたが持ってる幸せはわたしには無いもので、
私が持ってる幸せはきっとあなたには持てない。
#19 幸せとは
電車に乗り顔を上げると、隅に身体の半分くらい大きな花束を抱えた小柄なおばあちゃんが座っている。秋晴れの今日、車内には暖かな光が差し込み、グレーヘアがよりいっそう綺麗に見えた。隣に座る若い女性がブラインドを下げても、おばあちゃんは正面の窓から目を逸らさない。時々花束に視線を落としては、納得するように何度か頷く。よく見ると手をぎゅっと握り締めて、膝の上に置いている。ふとこのアプリの存在を思い出し開いてみると、お題は夫婦だった。そういえば昨日はいい夫婦の日だ。花束は誰に、渡すのだろうか。おばあちゃんにとって今日が温かい一日になるように、たまたま電車に居合わせただけの私はそう願う。
#18 夫婦
選択が紡ぐ毎日の中で自信を持ってこれで良かったと言えるような決断はそう多くない。選択肢のある分変わる結末がある。うん、とひとこと言えば始まってた未来だったはずなのに、今はいくら言葉を並べても、これ以上進むことは無い。
#17 過ぎた日を想う
「幸せってなんだと思う?」私の気持ちに気付いて居ながらなんの悪意もないような優しい笑顔で君は聞くけど。好きな人に大事にしてもらえたら、それだけで幸せだと思えそうだよ。2年ぶりにあってもお互い変わっていない、自分の欲求を優先してしまう君と、自分の気持ちを無視して流されてしまう私。君が過去大事にした女の子がいるって分かってるからこそ余計に、今この状況が辛いよ。あの時私が素直にはいっね答えてたらちゃんと始まってたし、こんなことにもなってなかった。後悔しても遅いから、繰り返さないようにするだけ。
#16 君は