夕焼け小焼けなんて歌をおもわず思い出しそうな帰り道に、
僕の隣にいてほしかった。
あの日、勇気をだして一歩踏み出していたら
今も隣にいてくれたのかなと考えて、
『ハァ〜、、何を今更・・』
独り言にしては大きな声だったかな。
前を歩く君に聞こえるようにそう呟いたんだけども、
君はこっちをチラリと見て、何も聞こえなかったかのように隣にいる男にまた話しかけている。
半年前までは隣にいる男が自分だったはずなのに・・・
君はなぜ、あんな男を・・・
ケンカのキッカケなんて大したことなかったはずなのに、気づけば僕たちは別れていて、気づくとあの男が隣にいるようになった。
特別な関係では無いらしいと共通の知り合いから聞いたが・・・
君の手を掴んで、どこか遠いところまで走り去ってしまいたい。
そんな気持ちになろうとも、そんなことができるほど僕はバカじゃない。
『ん・・・』
ある疑問に、つい言葉にならない声が口から漏れた。
一体、どっちがバカなんだろう・・・
君に何も伝えられず、ただ想像することしかできない自分と、
君の手を握り、隣にいる男を振り払って走り去ってしまいたい自分と、
『どっちも、バカだなぁ』
半笑い、うすら笑い、呆れ顔、なんとも言えない表情と感情で自分で自分を見つめ直してみる。
同じバカなら、後悔したくない。
諦めて、ただ見てるだけなんて嫌だ。
やるべき事が何なのか、視界が晴れた気がした。
『クソっ、、僕って思ったよりもバカだな』
汗で冷たくなった僕の手が君の手を繋いで走る。
隣にいたはずの男は呆気を取られた顔をしてすぐに慌てた様子になっていた。
いま君はどんな顔をしてるだろうか。
いま僕はどんな顔をしてるだろうか。
僕も君も、笑っていたらいいな。
でも君の手は、確かに僕の手を強く握り返してくれている。
『ずっと・・・ 待ってたんだよ』
下を向きながら、息も絶え絶えに君が呟く。
あぁ・・・
この声を隣でまた聞けるなんて。
太く低い声で優しく笑っている。
僕の隣で彼が笑ってくれている。
僕と彼
男女のカップルではないんです。
無意識に男女だと思ってた人がいても、それも多様性です。
あぁ、、
つい、いつもの癖がでた。
居心地の悪い雰囲気を感じたり、緊張してしまうと
いつもやってしまう。
左手の人差し指や中指の爪を親指の腹にグイグイと押し込んでしまう。
痛みで感情を誤魔化そうとするこの癖は子供の頃からの癖だ。
それはいま目の前にいる妻も知っている。
いま、私が彼女とテーブルを挟んで向かい合っているこの空間に少なくとも良い感情を持っていないということを教えているようなものだ。
『 その癖、、やっぱりもう終わりにしましょ?』
妻は俯きながら、口が開いているのかもわからないくらい、小さくボソッと呟いた。
『ごめん、つい・・・』
左手に目をやりながら、自分でも信じられないというような顔で僕は言う。
『気にしないで・・・今までありがとうね。 こんな私なんかに』
涙を一筋、スーッと垂らしながら妻が言った。
『じゃあ・・・ありがとう、ごめんね』
そう僕は、彼女に伝えた。
そして、振り絞る精一杯の感謝と後悔を込めて、、
『UNO STOP....』
あぁ、、これで彼女は最下位となってしまった。
許してくれ、、、
『お前ら、UNOに感情入れすぎなんだよ!! メンドクセー ーなぁ!!!』
友人の一声は心底疲れ切っていた。
当たり前だ、僕と妻の最下位争いは30分以上続いていたんだから。
暗闇から光を浴びると、とても眩しくて
明るい光の側から暗闇を見てしまうと、暗くて怖い
闇からは光が目立ち、光からは闇が目立つなら
どちらも目立たない所を探そう
そこが丁度良い
光と闇の狭間は
光も闇も見えるところ
いつか、狭間が見つかるといいな
朝、目が覚めてから思うこと
寒い
昨日よりも寒い?
寒いかも
明日はもっと寒いかなぁ?
明日は今日よりも暖かいといいな
ここ最近、毎日そう思ってる気がする
そして気づくんだよね
あ、冬のはじまりだねって