あぁ、、
つい、いつもの癖がでた。
居心地の悪い雰囲気を感じたり、緊張してしまうと
いつもやってしまう。
左手の人差し指や中指の爪を親指の腹にグイグイと押し込んでしまう。
痛みで感情を誤魔化そうとするこの癖は子供の頃からの癖だ。
それはいま目の前にいる妻も知っている。
いま、私が彼女とテーブルを挟んで向かい合っているこの空間に少なくとも良い感情を持っていないということを教えているようなものだ。
『 その癖、、やっぱりもう終わりにしましょ?』
妻は俯きながら、口が開いているのかもわからないくらい、小さくボソッと呟いた。
『ごめん、つい・・・』
左手に目をやりながら、自分でも信じられないというような顔で僕は言う。
『気にしないで・・・今までありがとうね。 こんな私なんかに』
涙を一筋、スーッと垂らしながら妻が言った。
『じゃあ・・・ありがとう、ごめんね』
そう僕は、彼女に伝えた。
そして、振り絞る精一杯の感謝と後悔を込めて、、
『UNO STOP....』
あぁ、、これで彼女は最下位となってしまった。
許してくれ、、、
『お前ら、UNOに感情入れすぎなんだよ!! メンドクセー ーなぁ!!!』
友人の一声は心底疲れ切っていた。
当たり前だ、僕と妻の最下位争いは30分以上続いていたんだから。
12/9/2024, 3:20:57 AM