フラワー
北国では冬はモノクロの世界。晴れた日でも青が薄い。勿論庭先に咲いている花など無い。唯ひたすら転ばない様に足元を見て歩く。外での立ち話も短く、寒いので心無しか足早になる。内向きになりがちだ。
雪が解けて視野がぐっと広がった。彼方此方の庭先に彩りが戻って来た。木々の先の萌芽が赤くなっていたり、庭先の福寿草やクロッカスが黄色や紫に咲いていたり、テレビだってピンクの桜が一面の光景だ。花には人の心を浮き立たせるだけで無く、小さくなっていた視野を広げて、人を活動的にしてくれる様に思う。花を見る事、美味しい物を食べる事、人に生まれて良かったと思えるひと時かな…。
新しい地図
新しい地図というこのお題は、余りにもタイムリーだ。新しい地図の斜め前に立っていた人物の醜聞が世の中を騒がせている。人は沢山お金を持っていても、名声を馳せても幸せになれない事を教えているようだ。
桜
子どもの頃、春になるとお花見に連れて行ってもらった。ピンク色のソメイヨシノは、昼間でも夜でも本当に綺麗だった。更に楽しみだったのは、沢山並んだ出店を覗く事だった。御決まりは蒟蒻のおでん。何処の店が空いてるかと中を覗いた。やはり小さい頃から食いしん坊だったのだろう。お面ではなく綿菓子、薄荷糖、記憶に残っているのは、食べ物ばかりだ。今では寂れてしまった街に、賑わいがあった頃の昔話だ。
君と
何処へ行きたい
何をしたい
何が食べたい
どんな景色が見たい
全部君と
一人だって平気だよ
強がりだね
ただおしゃべりしたい
君の顔を見て
今日のご飯は…
このケーキは…
その服は…
髪の色は…
何でも無い事だけど
言い出せ無いのは何故だろう
今日も過ぎていく
大事な君と
空に向かって
空に向かって願いを放つ
新しいこの春に願いを放つ
私の願いは雲を越えて
神々の元へ届くように
桜の花を透かした
青い空へ
何処までも広がる空へ
願いを放つ
地球の未来が
清々しいものであります様に