2/5/2025, 5:35:46 AM
永遠の花束
春が来る度
庭が綺麗だよ、見せたいわ
と老いてきた母は言った。寂しいという言葉を忘れる程、寂しかったに違いない。
一昨年の春は
今年の春は特別に綺麗だわ。最後の春を見せてくれてるみたいと言った
しかし去年は
春になっても庭に出なくなった
草がぼうぼうになった
秋が来て
草取りをする私を、窓越しに眺めていた母は、間も無く逝ってしまった
目に、心に
沢山の花を抱いて逝けただろうか
暖かい陽射しの元
春を待っているだろうか
ごめんなさい
ありがとう
2/3/2025, 10:55:20 AM
やさしくしないで
やさしくしないでなんて思った事無い
そう思ったけれど
どうやら違う
奥歯を噛んで
我慢している時
やさしくなんかしないでほしい
崩れてしまいそうだから
そっと一人にしてほしい
何でもない
普段の時に
やさしくしてほしい
話をしたらこちらを向いて
話を聞いて
やさしくなんてしなくても良いから
どうやら私は気難しいようだ
2/3/2025, 3:07:54 AM
隠された手紙
手紙を書く
その時の気持ちを
時間が経っても
何一つ変わらないだろうか
受け取る相手も
何一つ変わらないだろうか
時は空いながら
人もまたその中で
我が身をすり減らしながら
流れていく
思いはその時々に
伝えていこう
言葉の温度が伝わるように
隠された手紙が見つかって
誰かが傷つかないように
2/2/2025, 3:07:00 AM
バイバイ
書けなかった
とても重たい言葉だった
どうにかしてこの言葉を
温みのあるものへ昇華させたいと
残念は
念が残ると書いてある
そこにしがみ付いている私がいた
今日は節分
自分の中のしみったれ鬼
バイバイ
2/1/2025, 4:53:32 AM
旅の途中
今私はあの世へ行く旅の途中
持ち物は何も持ってはいけないから
心に刻めるものだけ
たくさん集めよう
欲張りだと言われても
期限があるから
出来ない時がやってくるから
私の眼に、耳に、鼻に、口に、
そして心に