なにも始まらない、
なにも終わらない、
なにも変わらない日常に憧れている
僕は怖いんだ
なにかを失くしてしまうのが
なにかを忘れてしまうのが
それでも今年も桜は咲いて
いつの間にか散っていく
いつか君も居なくなる
春なんか来なかったらいいのに
久しぶりに文章を書こうと思って
ここを訪れた。
「胸の鼓動」か。
もっと運命的なテーマが来ると思ってた。
私にとって、ここはそういう場所だった。
私なりにテーマに準えて書こうと思う。
・
私はここが好きだった。
心という曖昧なものが創り出した不明瞭な存在を
形にしようとする人間的な情緒が好きだった。
いつの間にか、
訪れることがなくなってしまった。
書くことに疲れ、読むことに疲れ、
人を感じることに疲れてしまった。
人間的な情緒を感じることができなくなった。
理由は単純で、
余裕がなくなってしまったから、であると思う。
私も少しだけ、大人になった。
感性というものが死ぬのは、
案外簡単なのだということを知った。
怖いと思った。
自分が霞んでいくようで悲しかった。
心臓の音が小さくなるような、
そんな感覚に嫌気が差した。
轟かせたいと思った。
大きな音で、生きていると叫びたくなった。
だから今書こうと思った。
月並みな言葉しか並ばない、
リハビリのようなこの文章を。
・
やっぱりここはこういう場所だった。
拙さもまた、私というものの情緒であろう。
愛すべき不完全さであろう。
ねぇねぇきいて?
きょうね、
はしってたらころんじゃったの。
そしたらおともだちがね、
「だいじょうぶ?」
っておててひっぱってくれたの。
すごくうれしかったんだぁ。
あたしもいつかあのこみたいに
かっこよくなりたいなぁ。
だからね、
こんどあのこがこまってたら
あたしがかっこよくたすけるの。
とってもすてきでしょ?
きっと明日は、
みんなおいしいご飯を食べて、
大切な人と笑いあって、
幸せな1日を過ごす。
そう、きっと私も。
2024/4/1/12:01
この間、拾われたんだ。
優しくて、だいすきな飼い主さんに。
でもね、
僕のせいで結婚できないんだって。
僕がかわいすぎて困っちゃうって。
僕ってば、罪なヤツ。
だから今日
君が寝てる間に
こっそりこの家を抜け出すの。
暖かくて心地良い、
だいすきなこの家を。
僕、君のおかげで幸せだったよ。
それじゃあ、さようなら。