L.17

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久しぶりに文章を書こうと思って
ここを訪れた。

「胸の鼓動」か。
もっと運命的なテーマが来ると思ってた。
私にとって、ここはそういう場所だった。

私なりにテーマに準えて書こうと思う。



私はここが好きだった。
心という曖昧なものが創り出した不明瞭な存在を
形にしようとする人間的な情緒が好きだった。

いつの間にか、
訪れることがなくなってしまった。
書くことに疲れ、読むことに疲れ、
人を感じることに疲れてしまった。

人間的な情緒を感じることができなくなった。

理由は単純で、
余裕がなくなってしまったから、であると思う。

私も少しだけ、大人になった。

感性というものが死ぬのは、
案外簡単なのだということを知った。
怖いと思った。
自分が霞んでいくようで悲しかった。

心臓の音が小さくなるような、
そんな感覚に嫌気が差した。

轟かせたいと思った。
大きな音で、生きていると叫びたくなった。

だから今書こうと思った。

月並みな言葉しか並ばない、
リハビリのようなこの文章を。



やっぱりここはこういう場所だった。
拙さもまた、私というものの情緒であろう。
愛すべき不完全さであろう。

9/8/2024, 11:58:02 PM