moooosha

Open App
1/21/2024, 1:19:47 AM


「ねぇ、この海で1番素敵なところを知ってるかい?」


変なやつに声をかけられた。少しだけ、うとうとしていたので返事が遅れたが、やつは呑気なものだ。
波をちょろちょろとくすぐっている。
ずいぶんとぼってりしたやつだなとぼんやり思っていたら


「ねぇ、聞こえないのかい?」


懲りずにやつは絡んでくる。


「……知らないよ、僕は動けないからな」


ピタリと動きを止めて「そうなんだ」つぶやいた。


「…あのさ、きみのピンクの髪がキラキラゆれて、素敵だね。お土産話を持ってまたくるよ。待っててね」


やつは、こちらがうんともすんとも返す前から、重そうな体を振って陽気に去っていった。


次の日も、次の日も、やつは来なかった。もうやつから香った甘い匂いも、忘れてしまいそうだ。


海の底【たい焼きくんと桃色サンゴ】

1/19/2024, 10:31:08 AM

キミに会いたくて

あの日別れたキミはもういない。
かといって僕ももう、魂になっている。
なんなら味噌汁になった。
それはもう適当な扱いだ。
わかめと豆腐になんとなく白い物体として。
どうせならメレンゲになりたかった。

キミは美味しいカルボナーラに。
いいな。いいなぁ。
来世は一緒に生まれたとしても
僕はキミになりたいよ。

1/16/2024, 7:10:45 PM

美しいはつくられる
美しいはつくられる

美しいはつかえる
美しいはつかえる

美しいはつかれる
美しいはつかれる

美しいはつきる
美しいはつきる

美しいは
うつくしいは

うつくるしいは
うつくるしいは

1/15/2024, 10:54:56 PM

この世界は
虚構と虚構とほんの少しの真実でできている。
好きが終わると嫌いが始まる
昨日までの好きは、途端、姿を変えて見えるが
その全てではない。
嫌いが始まれば好きは湧いてこない。
かと思いきや、嫌いの集合は執着の始まりであり
結果は好きと同様の時間を溶かしている。
真実は虚構、虚構は真実。
何を信じ何を選ぶか。

1/14/2024, 5:33:43 PM

もっとうまくなりたい。

何をするにも不器用で
不完全なまま。
成したことがないから
挑戦もしなくなる。

だから
生きること
生き続けること
生き抜くこと
もっとうまくなりたい。

来世こそは
来世こそはと
今世を未練で生きている

Next