目が覚めると
目を覚ましてみると、そこには、ずっと待たせた大切な恋人がいる。
ずっと、ずっと待たせてごめんな。
今から、結婚式の続きをしよう。
ああ、神よ。私はあなたに感謝をします。私と恋人を引き離させずに恋人を預かってくれました。
はっと、目を覚めるともうそこには誰もいなかった。
見えるのは、白い天井だった。また、あなたのところに行けなかった。
赤い糸
ねえ。今、何をしているの。
編み物をしているよ。
それじゃ。私のぬいぐるみを作ってよ。
何色がいいの。
赤色のくまちゃん!
という夢で目を覚ました。私は、一人でいる。編み物なんてやめた。あの後、友達だったあいつに目の前で捨てられた。
憎い。呪ってやりたい。殺してやる。いなくなれ。と何度思った。あのときの赤色はあざ笑うためだったのか。
呪いの赤色の毛糸
相合傘
相合傘というものをしたいことなんてない。
私には無関係な言葉である。と思っていた。
でも、相合傘って同じ性別、人間ではなくっていいんだよね。
今は多様性を認めようとしているんだから。
カラスさん、一緒に帰ろう!
世界の終わりに君と
明日、世界が終わるとしたら何をしたいと言ってたなあ。俺に。俺はお前にお前と一緒に水族館やレストランに行って、二人で過ごしたいと言った。
まさか、本当に世界が終わると思わないだろう。
お前は一緒に水族館に行こう。そして、レストランに行って楽しく過ごそう。デートしようと言った。
本当はこの言葉は俺が言わないといけないのに。
俺は病気にかかってしまった。俺は全てがどうでも良くなったのに。お前はずっとそばにいてくれた。
でも、俺はお前にありがとう。と言っていなかった。
今日は世界が終わる。お前は俺の車椅子を押して水族館へ行く。
狭い部屋
広い部屋よりも狭い部屋の方が安心する。
広い部屋はまだ、置けると思って次々と買ってしまうが、狭い部屋は置ける範囲が決められる。
と思いながら生きていた。
でも、君は「そうだな。実際はそうかも知れないが心は狭い部屋よりも広い部屋のほうがいいよね。」と言った。君は「いつまでも狭い部屋にいると心に余裕ができなくなるし。」とつぶやいた。
君も無理していたんだな。
この社会は汚れていて、狭い檻なのに、とても生きにくい。