懐かしく思うこと
私は、弟ともに父の遺品整理をしていた。
ねえ。姉さん、これ懐かしくない?
どうしたのよ。賢治 それは確か.....。
そうだよ。姉さん、これは父さんの誕生日プレゼントのために折った手裏剣だよ。
なんで、持っていたんだ。
確か、父さんの俺達からの最初の誕生日プレゼントだったんだよ。
あの時の反応、とても冷たかったじゃん。
俺は見ていたよ。父さんが嬉しそうにスキップしながら、父さんが帰るところ!
なんだよ。嬉しかったのね。
なんだよ。父さん素直じゃない。
もう一つの物語
パラレルワールドって知っている?
この世界はもう一つあるんだって。向こうの世界はこの世界と反対なんだって。私達の性格や性別、好きなもの、嫌いなもの全部。もし、向こうの世界に行ったら戦争なんてないかも!だってこの世界は一つになることはできてない。だから、この世界の反対に行ったら平和になるかも。
俺はもう一つの俺に会った。その俺は女だった。でも俺は男である。もう一人の俺はボロボロだった。そうか。反対側の世界に行くということは環境も変わるんだ。
もう一人の女の俺は言った。 私のミガワリになれ。私が不幸なんてユルセナイ。
暗がりの中で
ねえ。お父さん、どこにいるの?
ねえ。お母さん、どこにいるの?
「うるせぇ。邪魔」この声はお父さん、お母さんの声じゃないよね。「どっかに行って。このガイジ。」私はイラナイモノなの。ねえ。ねえ。誰でもいいから私を求めてよ。
心の中も光なんて見えない。私に見えたものは絶望と闇。私は闇にそそのかされてお父さん、お母さんを殺した。
光は見えなかった。私の頬に温かい何かが触れた。何かの持ち主は「よく頑張ったね。」と言った。そして私の手を握って私を本当の光に引っ張った。光なんて存在しなかった。そこで意識を失った。ユルサナイ
紅茶の香り
窓を開けると金木犀の香りが風とともに入ってきた。
金木犀の香りはとても好きだ。そんな香りともに私は紅茶を淹れた。紅茶はもちろん、ストロベリーティーだ。紅茶のお供はサブレに決まっている。読書をしながら、風とともに入ってくる金木犀の香りと虫の鳴き声を聞きながら、贅沢な時間を過ごす。
「おい。起きろ!」という叫び声で私は目を覚ます。
「お前は専業主婦なんだからサボるなよ。」
はあ「これだから、主婦は。女だから。役立たず。」
私は冷めた目で冷めた紅茶を飲んで、夫をいないものとして扱うことにした。
「おい、無視かよ。いい加減にしろ。」
夫よ。私には何も届かないのよ。あんたが先に私に暴力を振るったんだから。
友達
友達ってなんだって?
分からなくなっちゃた。
お友達っているの?と先輩に言われてしまった。
つい、俺は「友達ってどういったものでしょうか?」と禁断の質問をしてしまった。俺にとっては危ない質問だ。誰にも聞いてはいけないものだった。だって、今でも友達という意味もわからなからないって危ない状態じゃん。お前そんなこともわからないのかと言われちゃうんじゃん。俺は慌てて「いや、やっぱなんでもないです。」と言った。先輩は「友達には何も意味もないと思う。だけど、わからなくなる時はある。人間の都合がいい言葉だよ。」と言った。先輩の言っている意味がわからず、ポカンとしていると先輩は「いつか、わかる日が来るよ。そういつか、人生は長いだから。」と言って空に浮かんでいたストベリームーンを見ていた。あの赤い月みたいに誰かが苦しんでいるんだろうか。