雪を待つ
関東で雪が降ることは少ない。
だから、雪国からしたら少ない雪でも大騒ぎだ。
雪が降れば足元は危ないし、交通機関も麻痺して
通勤する者にとっては最悪だ。
でも雪が降るのは、やっぱり楽しいし
真っ白に染まる姿は非日常で、わくわくする。
紅茶の香り
昔はジュースや炭酸ばかり
コーヒーは中学から苦いと言いながら、
たまに思い出したように飲んで、
いつのまにか平気になった。
大学生はカフェでミルクティーやカフェラテ、
甘ったるいものを飲み
社会人になって、甘すぎるのが辛くなったから
緑茶やほうじ茶、紅茶を飲むようになった。
本来は麦茶とかを作るであろう
500ml入る耐熱ガラスの容器にお湯を注ぐ
100個くらい入っている安いティーバッグを
中に入れて褐色の靄がゆっくりと滲み出る
そのまましばらく放置する
たまにそのまま忘れて濃い紅茶が出来上がる
(あっ、やっちまった。薄めて飲もう)
成功すれば綺麗な紅にある
一定以上美味しければ、すごく美味しいとかわからない舌には安い紅茶で充分だ。
友達
私が一番続いている友人は小学校の頃の友人だ。
続いていると言ってもやりとりは年賀状だけ。
でも、中高の友人とは連絡をとっていない。
私があまり連絡をしようとしないというのもあるだろう。メールやチャットをどのくらい続ければいいのか、きりあげ方がわからない。端的に言えばコミュニケーションが下手。
ひとりが嫌だから、グループのひとつに属していただけな気がする。大学生になってからは、友人をろくにつくっていない。知り合い以上友達未満。一人でなんとかなったし、暇つぶしで始めた読書がよい刺激だった。大学が一番"学生"をしていた。
人付き合いが下手、人との距離感がわからない。
ただの馴れ合いにしかなっていないように思う。
友人だと思っているのは私だけではないか
仲が良くても私以上に仲がいい友人が他にいる
趣味が変わって話が合わなくなって疎遠になる
仲が良かったのに、なんかうざったく思うようになる
つながりなんて、あっさりと切れてしまう
「友達」ってなんだろう。
楽しかったときもあるはずなのに
分からなくなってしまった。
私が原因か、他人が原因か
やわらかな光
ずっとぬるま湯に浸かっているようだ。
体をしっかりと温めることはできないため、湯から出ると寒くてなかなか出られない。だからと言って、ずっと浸かっていてもいいことはない。
暗くて冷たい海の底、とまではいかないが、
いい人生というには、あまりに息苦しく、
最悪の人生というほどの不幸でもない。
…不幸ではないが、
愛や夢や、あるいは人でも何でもいい。
明るく暖かな、やわらかな光が欲しい。
生きる希望が欲しい。
放課後
「放課後」は学生時代特有の言葉だと思う。でも大学では使わず、高校くらいまでだろう。大学はそれぞれとってるコマにより時間もバラバラだから、放課後も何もない。
…放課後に特に思い出はない。
部活を熱心にしていたわけでもない。
友人とどこかに寄ることもない。
勉強も親に塾に行かされていた。
漫画とかのような青春はなく、なんとなく過ごしていた。それは今も同じ。学校に、塾に、会社に。やりたいこともないが、そうすることが当然で、そうすることが最善だからやっている。さも、やって当たり前と提示されたそれをするだけ。
…なんとなく、遠い日の放課後、夕焼けに染まった人がまばらな校舎を思い出す。放課後の思い出なんてそんなもの。それでも充分な気がする。