〚とりとめもない話〛
友達と毎朝挨拶を交わし、とりとめも ない話をする
それがどれだけ幸せなことなのか
気づくのはいつも、失ったあと
〚風邪〛
風邪をひいて学校を休んだら、クラスメイトが全員「風邪ウイルス!風邪ウイルス!」と言って迎えてくれた
彼らが風邪の正体だったなんて、笑ってしまったよ
〚雪を待つ〛
寒い冬の季節、電車に雪だるまが乗り込んできた
ところどころ溶けていて、かなり疲れているようだった
だが、雪だるまに席を譲る者は誰もいなかった
皆、席が濡れるのを恐れているのだろう
私は周りからの痛い視線を受けながらも勇気を振り絞り、雪だるまに席を譲った
雪だるまは「ありがとう」と私にお礼を言い、ドスンと席に座った
電車から降りる際も同じようにお礼を言われ、私は濡れた席を拭きながら「いいことしたな」と思った
そんな出来事があってから約1年が経つ
今年も雪が降ってきた
またあの雪だるまに会えるといいな
〚イルミネーション〛
今日は彼とイルミネーションを見に来た
だが彼はイルミネーションよりもどぎつい光を放っている
好きだからキラキラ輝いて見えるとかじゃなくて、物理的に光っている
周りから視線が集まる
「ねぇ、みんなに見られてるよ。
恥ずかしいから光るのやめて。」
私に注意された彼は言った
「だって君はイルミネーションばかり見て、僕のことは全然見てくれないじゃないか。だから今日はイルミネーションよりも目立つ恰好をしてきたんだよ。」
確かにイルミネーションより目立ってはいるが、眩しすぎて直視できない
〚愛を注いで〛
新婚旅行中、
彼のキャリーケースの中身を見て驚い た
なんと着替えやお金が全く入っておら ず、その代わりに大量の愛が入ってい たのだ
「君にたくさん愛を注ごうと思って」 バカすぎる彼に腹が立った私は、キャ リーケースを無造作につかみ、大量の 愛を頭からかぶった
すると私の体は愛で満たされ、怒りも 鎮まった
それどころか、彼をもっと好きになっ てしまった