〚愛情〛
私には付き合って半年の彼がいる
私は彼に目一杯の愛情と、私のすべてを捧げた
毎日「好き」とちゃんと口に出して伝えるなど、彼を満足させる努力はしてきた
でも、そんな私とは対照的に彼は素直に感情を見せるような性格ではなかった
今まで私が付き合ってきた男性と比べても言葉少なだったし、正直何を考えているのかよくわからなかった
私は彼のそんな性格も個性の範囲内として受け入れていた
だが最近彼のぶっきらぼうな態度に嫌気が差してきている自分に気がついた
それに気がついてしまったためか、彼のする仕草全てに嫌悪感を抱くようになった
その後度重なる口論にお互い意気消沈し、別れを決意する
失恋の寂寥感や喪失感が心を蝕む
ただ、それ以上に解放感で満たされていた
さっぱりした脳は、今までとは違う客観的で俯瞰的な考えを浮かばせてくれる
私は彼と付き合っていた時、私と彼の愛情に不平等が生じていると思いやきもきしていた
でも、恋というのはもっと曖昧で漠然としているものだと思う
だから、どっちのほうがとか、フェアじゃないとか、そういうのを考える時点で本物の恋ではないのではないか
今までの恋に思いを馳せ、それにそっと蓋をする
これからは無条件の愛を捧げられる人を探そう
そう心に決めた
〚微熱〛
私は軽度の発達障害を抱えている
軽度と言ってもやっぱり会話に溶け込めなかったり、間違いを犯すことがよくある
その度に「私は発達障害だから仕方がない」と自分を納得させようとするけど、軽度という言葉が邪魔をする
「軽度なら障害ではないでしょ」
「軽度なのに障害者づらすんな」
周りはわかってくれない
自分でも受け入れられない
そんな心の微熱を抱えながら、今日も生きていく
〚太陽の下で〛
君はいつも太陽の下でキラキラ輝いている
常に明るくて、みんなの人気者だ
でも、完璧な君を嫉妬し、嫌う人もいる
僕も君のことを嫌うとまではいかなくとも、嫉妬に近い感情を抱いている
君のような、努力だけではどうにもできない圧倒的天才を前にしたとき、完膚なきまでに打ちのめされる
ある日、君は太陽を避けるようになった
以前のような眩しさがなくなった君から、続々とみんなが離れていく
でも、君は今までよりも幸せで楽しそうなオーラをまとっている
僕はキラキラしすぎていない君に親近感が湧き、思い切って話しかけてみた
最初は太陽を避ける君の行動を理解できなかったけど、仲良くなってから分かったことがある
君は太陽の下でキラキラしていた時、ずっと辛かったんだなって
周りから尊敬や期待の目を向けられて、そのプレッシャーからありのままの姿でいられなかったんだよね
だから君は沢山の人から失望されるのを覚悟した上で、太陽を避ける道を選んだ
そんな勇敢でたくましい君を僕は尊敬しているよ
〚セーター〛
「えっ重。」
手作りのセーターをプレゼントしたとき、君は言った
脳が混乱する
(重いってなに?愛?愛が重いってこと?)
君の喜ぶ顔を想像しながら編んだのに、その想像は一瞬にして吹き飛ばされた
「そ、そうだよね。ごめんね。ちょっとやりすぎたかも…笑」
無理やり顔の肉をあげ、胸の内からこみ上げてくる悲しみを抑える
慌ててセーターをしまう
私の愛が絡まったセーターを君は受け取ってくれなかった
いつもそうだよね
君の愛と私の愛は重さが違う
私の重すぎる愛を君は受け取れない
君の愛じゃ私は満たされない
こんな関係早く切ったほうがいいのかな
〚落ちていく〛
失敗や過ちを繰り返し
自分の人間としての価値が落ちていく
いつか底につく日が来るだろうか
どうなったら底につくのだろう
底についたときどうなってしまうのだ
ろう
底ってなんなんだろう