テーマ【kiss】
制作者:いと。 2.4 2023 22:47
親にも捨てられ、友達にも裏切られ、
先生にも期待されなくなった。
そんなだめ人間の僕を、君だけは愛してくれた。
君だけが挨拶を返してくれた。
君だけが一緒に笑い合ってくれて、
君だけが一緒に泣いてくれた。
そんな君がある日、僕に抱きつきながらこう言った。
「..なんで信じてくれたのっ、..?私のこと...、」
「..っ、...なんでだろうね、っ」
本当は自分の中でもう回答は出ている。
...好きなんだ、きっと。
初めて心を開けた人だから。
「ぎゅっ...っ」
僕は少し抱きしめる強さを強めた。
「..ありがとね...っ、信じてくれて、っ...」
君は優しい口調で呟いた..と途端に、
僕の頬を両手で包み自分の顔に近づける。
君も僕もゆっくり同時に瞼をおろした―――。
君のことがもっとすきになって、
もっと安心できる存在になった瞬間だった。
【テーマ】勿忘草(わすれなぐさ)
制作者:いと。 2.3 2023 16:46
「ねぇ、私の事わすれないでね。」
そんなこと言ったら君は、
どんな顔をするだろう。
重いって言われるかな、
それとも...振られちゃうかな。
でもいいよ。振られたって。
遊びで付き合ったんでしょ?
君にとって私はだだの玩具(オモチャ)。
性欲を満たすため好き勝手して、
ストレスが溜まったからって容赦もなく殴る。
きっとすぐ忘れられちゃうんだろうね。
こんな都合のいい玩具。
でも...まだ心のどこかで君が好きだって思ってる。
君にやられたのにね、
―――首と胸にあるこのキズ。
[速報]
〇〇県××市、行方不明だった17歳の少女が
一人の成人男性の家で発見されました。
(無事発見保護されました→生きたまま見つかった
発見されました→×体で見つかった。
または生死不問。)
テーマ【ブランコ】
制作者:いと。 2.1 2023 22:55
君と一緒に遊んだ場所、
君に相談を聞いてもらった場所、
君が僕に初めて涙を見せた場所、
僕が君を初めて”ぎゅっと抱きしめた”場所。
――君が僕に最後の笑顔を見せた場所。
久しぶりに僕はあのブランコに腰掛けた。
今は16時、肌寒い時間帯だからか周りに人はいない。
もちろん、ずっと一緒だった君も。
「きぃ...きぃ...」
静かな公園にきぃ..というブランコの音だけが響く。
なんだか心にぽかんと
穴があいたような気がした。
僕は地面に寝転がり無心で空を眺める。
「っ....なにっ..これ...、」
胸が痛い、ぎゅーっっと締まっていく感覚。
「...でもっ、」
この痛みもどこか懐かしかった。
今まで誤魔化してきた感情が次々溢れてきて、
それと同時に君との思い出も次々溢れてきて、
すごく、すっごく苦しい。
けど何より、今僕の頬を伝っている涙が、
次々と溢れ出てくる涙が、たまらなく愛おしかった。
言葉では上手く表せないけど、
僕が僕を素直に受け入れてくれている感じ。
「...あったかい、」
今は真冬の夕方。暖かいはずがない。
でも僕が暖かく感じた理由。
ちゃんとあるんだ。それはね、
「君は僕が弱みを見せた時
”ぎゅっと抱き締めてくれたから。”」
紫、桃、橙色でグラデーションされた空と
きっと今”抱きしめてくれている”君が
2人でブランコをこいだ思い出と
夕日に染まった公園を再度、僕達色に色付けた。
テーマ【タイムマシーン】
制作者:いと。 1.22 2023 21:50
もしタイムマシーンが存在しても、
私は過去に戻らない。
未来にも行かない。
理由はたった一つ...なんかじゃない。
たくさんの理由がこの意志を作ったんだ。
”強くなりたい”、”弱音なんか吐きたくない”、
”自分の弱い姿を見せたくない”。
過去に戻らず未来を見ていける強い人になりたい。
過去に戻りたいなんか弱音を吐きたくない。
過去に縋ってる自分の弱い姿を見せたくない。
..未来に行って運命を変えるなんて汚いこと、
それは何があってもしたくない。
テーマ【君に会いたくて】
制作者:いと。 1.20 2023 18:23
大丈夫、心配しないで。
すぐ会いに行くから。
私は君がいた部屋にそう呟き扉を閉めた。
「がちゃっ」
青々しい空を眺めながら、
私は目的地へ向かう。
××駅から〇〇駅へ、
〇〇駅から高層ビルへ、
ビルの1階から最上階へ、
最上階からドアを開け屋上へ、
そして、屋上から愛しい君が待つ場所へ。
大丈夫、心配しないで。
すぐ会いに逝くから。