白米おこめ

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12/1/2024, 12:02:06 PM

あなたとの距離が近づく度に、
怖くて離れる僕を許してください。

遠くで見つめるくせして、目が合うと
何でもないふりをしてしまう僕を見ないでください。

近づきたいくせに、勇気がなくて
ちっぽけな一歩も踏み出せない僕に気づかないでください。

お願いだから、そんなに近づかないで。
僕は、あなたが近くにいるともうどうしようもないんです。
だから後ろに下がるしか、方法がなくて。

そうやっていつも逃げていたら、
気づかないままあなたと背がぶつかってしまって。

固まる僕に近づいたその距離の分だけ、
また彼女のことを好きになってしまったんだ。

「距離」 白米おこめ

11/30/2024, 11:19:50 AM

あなたの目尻をそっと舐める犬。

「泣かないで」 白米おこめ

11/29/2024, 11:29:16 AM

悴む指先で、自販機のボタンを押して、
あたたかい飲み物を取り出す、その瞬間。


「冬のはじまり」 白米おこめ

コンポタはじっくりコトコト派。

11/28/2024, 11:17:42 AM

さよならは、頬を撫でるその手つきで分かったの。
離れがたさを含んで、いっとう優しく撫でていたの。
私は微睡の中で、生ぬるい優しさの中で、
ひとつ泣いていたの。
あなたは私よりもずっと泣いていたから、
気づかなかったのでしょうけど。

私とあなたの涙のペトリコール。
さよならを言えないまま逢えなくなったって、
別に構わないの。
私はずっと好きなのだから。

だから、どうか、あなたの人生を。



「終わらせないで」 白米おこめ

11/27/2024, 1:47:36 PM

一口に“愛情”と言えど、
それは姿かたち、色、匂い、味でさえもバラバラであり、
またそれを食す人によっても感じ方が変わる、
摩訶不思議な感情なのである。

誰かに嫌いだと言われた時に、
自分は好きだよと言えることと、
自分も嫌いだよと言えること。
言うなれば、どちらも愛情だと捉えることができる。

…愛の反対は、嫌悪ではなく無関心だという話がある。
言葉を返してくれるのならば、
そこには一種の愛が消費されている。
こちらに伝えたい訳ではなく、伝わることもなく、
会話をするために必要な最低限のコストのような愛。

私達は日々誰かの為に愛を消費して、
そして他者からの愛に口を付けながら、
血液の循環のように、身体中に張り巡らされた愛情の管を
満たして生きているのだ。

「愛情」 白米おこめ

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