#影絵

文化祭の準備中、教室の片隅。
照明担当が試しに当てたライトで
壁に大きな影ができた

何気なく誰かが影絵を始めると
ひとり、またひとりと笑いながら真似しはじめる

作業は進まないけど
その時間が、やけに心に残った

誰も写メを撮らなかったのに
あの影絵だけは、ちゃんと覚えてる

#静けさと情熱

誰に見せるわけでもないけれど
確かに燃えている

諦めることを知らず
叫ばず、焦らず、ただ前を向く

静かな情熱は
嵐の夜にも消えはしない

#風景

古びた校舎、きしむ窓
夕陽が黒板を赤く染めていた

寄り道ばかりの帰り道
笑い声が　風と一緒に揺れていた

笑い合ったあの瞬間が
今もどこかで　そっと揺れている

#遠い約束

あの日交わした言葉は
空の彼方に溶けていった

忘れたと思って
胸の奥にしまい込んだのは
叶わぬ願いではなく
歩き出すための勇気だった

時は流れ、景色は変わり
足元に落ちた影も
あの頃とは少し違う

けれど、耳をすませば
あの約束の声が
今も風の中に残っている

遠い約束
それは過去じゃなく
未来への静かな灯火

#好きだよ

なんて、素直に伝えられたらどんなに楽だろうか。

言えるもんなら言いたいよ、

でもこの気持ちはあなたにとって迷惑でしかなくて。

言ったって無駄だと分かってる。それなら、

今だけは、あなたの頼れる友でありたい。