星に願って
星に願いながら、ぼくらはあるいた。
「今夜ははたくさんのお星さまが宇宙からふってくるって森のみんながね、お話ししてたの。」
「一緒に行こう。」
くらいくらい森のなか。
星も顔も見えないけど、もう少し。もう少し。
ぼくらはつないだ手をはなさないように、転ばないように。
「きをつけて。ゆっくり。ゆっくり。」
「うん!」
ふたつのあしあとがつく。
お星さまがみえますように。
そのとき、ぱっと、みえている景色が変わった。
光が、星が、たくさんぼくらにふりそそぐ。やわらかい、きらきらした、線がみえる。
ずっとぼくらはなかよしでいられますように。
平和でおだやかな日々がつづきますように。
星の中で眠るの。今夜は、ここでおやすみ。
「「おやすみなさい。」」
誰も知らない秘密。
だって、みんなあるもの。あってもいいじゃない。
旅の途中
花が咲いていた。
笑みが溢れた。
花を抱えた。
石につまずいた。
泣いてみた。
石を抱えた。
怒ってみた。
落とし物を見つけた。
持ち主に届けた。
その人から時間をもらい、あげた。
石が溶けていく。
手の中にある砂時計に目をやると、さらさらと砂たちが落ちていく。上は砂漠みたい。下は砂場みたい。
まだ、旅の途中。
2025.01.31
明日に向かって歩く、でも、
果たして歩けているのだろうか、と思う。
歩いていなくても、歩いていても、
今日という道は勝手に進んでいくから、
明日に向かって歩けている。
ゆっくり、ゆっくり落ち着いて。
そのうち歩けている感覚に気がつく。
ただひとりのきみへ
「ひとりなの、ずっと」
ぼんやりした部屋。
どろどろに溶けていく朝の光。
「ひとりかもしれないけれど、“自分のことを大切にしていい”ってこと、教えてもらったの。」
大切にしてもらえてたことすら見えなかったの、ごめんなさい。ありがとう。
はっきりした部屋。
きらきら弾ける朝の光。