「誰かしら?」
「誰かしら?」
僕が病室に入って、君はそう言った。
君は僕の事が、分からないようだった。
事故で記憶喪失になってしまったと君の母から聞いた。
僕は、ショックだったけれど、君の前では明るく振る舞っていた。
が、帰宅して一息つくと、涙が出てきた。
もしかしたら、君は僕のことを思い出すかもしれないから、その可能性にかけて、僕は、君の側にいようと思った。
「芽吹きのとき」
何ヶ月か前に、木の種を植えた。
じっーと、種を植えた土を見つめていると、芽が出た。
私は、芽が出た瞬間を見れて良かった。
芽吹きのとき、だった。
私は、この木が大きく育ってほしいと思った。
「あの日の温もり」
君の手は、温かいなと僕は思った。
あの日の温もりを僕は、忘れないだろう。
「cute!」
「cute!」
小さい頃、近所のお兄さんは私に会うといつもそう言ってくれてすごく嬉しかった。
大人になった現在でもいまだに言われて私は照れてしまう。
近所のお兄さんは、写真家だ。
日本や海外で仕事をして世界中を飛び回っている。
私は、お兄さんのアシスタントをしたり、自分でも写真を撮ったりしてお兄さんと一緒に色々な国で仕事をして、大変な事もあるが、楽しいと私は、思っている。
二人で、散歩をしていると猫が道を歩いている。
「cute!」
お兄さんは、そう言いながらシャッターを切る。
猫の写真が撮れたみたいだった。
「お兄さん、cute!が口癖になってるね」
「そうかな」
「そうだよ」
私達は、お互いに笑い合った。
私は、こんな日々が続けばいいなぁとそう思った。
「記録」
僕の家では、メダカを飼っている。
水槽には、メダカが泳いでいる。
最初 、家にきたメダカは小さかった。
「小さい!かわいい」
僕は、独り言を呟く。
僕はメダカの飼育の記録をしようと思い、 ノートに記録をしている。
最近、メダカは、家にきた時よりも大きくなった。
飼育の記録を見ると、メダカの成長がよく分かる。
「大きくなったなぁ」
水槽のメダカを見ながら、僕は独り言を呟く。
僕はこれからも飼育の記録を、続けたいと思う。