「誰かしら?」 「誰かしら?」 僕が病室に入って、君はそう言った。 君は僕の事が、分からないようだった。 事故で記憶喪失になってしまったと君の母から聞いた。 僕は、ショックだったけれど、君の前では明るく振る舞っていた。 が、帰宅して一息つくと、涙が出てきた。 もしかしたら、君は僕のことを思い出すかもしれないから、その可能性にかけて、僕は、君の側にいようと思った。
3/3/2025, 8:48:14 AM