ゆま

Open App
7/23/2025, 5:04:20 AM




約束を交わした。
それは何気なく落とされた。別れ際に手を振る、そんな気軽さとともに生まれた言葉。
絶対だよ、そう答えて。手を振り返したあの日を鮮明に覚えている。
 
あれからずいぶん時は流れて、僕はすっかり大人になった。
 
夏休みの最後。
自転車にまたがった君の笑顔が、鮮烈な残響を残している。
ぶかぶかの麦藁帽。日焼けした肌に伝う汗。
あの日と同じように、夏を追いかけられたのなら――。
 
果たされないままの夢が、僕を今日まで生かしている。

 
【またいつか】

7/18/2025, 5:02:09 AM

太陽の矢を受け止める、柔らかな盾。
木漏れ日のもたらす安息の中で、民はしばしの憩いを求める。
今、一羽の鳥が飛び立った。
ゆらり木の葉は手を振って、彼の勇士を静かにたたえる。

どうか無事に、またこの場所で。
 
【揺れる木陰】

7/16/2025, 2:48:47 PM

ずっと追い求めてきたけれど。
いざ叶ってしまうと、呆気ないものね。

掴み取った勲章を握りしめて、私はひとり街を歩く。

あんなに夢中になっていたのに。
あんなに必死になっていたのに。

今の私は、なんだかからっぽ。

燃え尽きてしまったのかしら。
願わくばもう一度、冷めない夢を。


【真昼の夢】

7/15/2025, 2:19:06 PM

分かち合ったその瞬間。
今まで以上にあなたと結ばれた気がした。

深く、深く、穴を掘り、
丁寧に、丁寧に、葬った。

暗く湿った土の中。
永遠に、隠し通せると思っていたのに。
あなたによって暴かれた。

やわらかに微笑んで。
ただ、しずかに包み込む。

その温もりを、信じると決めた。



【二人だけの。】

7/15/2025, 9:48:47 AM


緑のカーテン。
蝉の音のシャワー。

くぐり向かうは君のもと。

夏に吹く風がさわやかなのは、きっと弾む心のせい。


【夏】

Next