「形の無いもの」
何故私がこう感じるのかは、わからない。
何故貴方に惹かれるのかは、わからない。
なんとなく、なんとなく。
ただ、
貴方の前では笑っていられる。
貴方といると楽しい気分になれる。
貴方にだけは、涙を見せたくない。
それでも貴方の涙を拭いたい。
これはただ、形の無いもの。
たぶんきっと、これが恋ってやつなのかな。
だからきっと、形無く、目に見えず、
心の中で震え続けるのかも、しれない。
『不完全な僕』
かの有名な人が描いたという絵も、
あの大人気の歌手が歌う歌も、
その偉大な書道家が描く文字も、
あの有名な人が受け継がせた建築も、
何もかも、この世界には芸術が溢れていて。
けれどその全てが完璧じゃない。
きっとどこかが不完全で。
きっとどこかが未完成で。
それは、僕を描いているようで。
このアートな世界で生きる僕は、
まるで色相環。
多彩な絵も、見えない歌も、色がない墨も、立体的な建築も、
すべてが僕と重なるようで。
未完成な僕の人生。
それでいて、不完全な僕。
きっと、だからこそ、人生は美しく輝く。
『言葉はいらない、ただ・・・』
端正な横顔。
硝子のような瞳。
その眼に反射する光。
何度も見てきたその笑顔。
言葉はいらない、ただ⋯
貴方のままで居てほしいだけ。
『誇らしさ』
地位。
今以上も、それ以下でもなく。
私は彼女を護るために、今ここに居る。
契機などは関係ない。
だからこの立場を、誇らしく思う。
気高く、
何度も、
何度でも。
だから、誇る。
今の私を
『君の奏でる音楽』
まるで、君自身を描いているよう。
何にでも喰らいつき、
がむしゃらに、傲慢に挑む姿とぴったり重なる。
でもその中には、強く見えて、拙く、
柔らかく、弱い部分がある。
何度耳に入れても痛くない、
芯の強いメロディー。
君の取り組む姿の裏に、数え切れないほどの努力
と、袖で拭った涙の欠片が見えてくる。
まるで、君の人生そのものを、奏でているよう。
何度でも、何度でも。
それが、君の奏でる音楽。