『君と最後に会った日』
いつものように、会話をした。
いつものように、ばいばいと手を振った。
いつものように、また明日といい、
いつものように、その明日が来る。
──そう思っていた。
そんなはずがない。
そして君は、いなくなってしまった。
いつものように、「また明日」会えると思った。
でも、そんなはずがなかった。
君と最後に会った日、
僕は別れの言葉すら言えずに。
彼とはもう話せない。
それが、彼との最期だった。
『繊細な花』
繊細で秀麗、また豪華絢爛
そんな花を、僕はまた見つめる。
眉目秀麗、泰然自若。
完璧のような、花。
世界でたったひとつだけの花。
その花に、僕は恋をした。
繊細な花。
容姿端麗。衆目美麗。
世界でたったひとつだけの、
繊細な君に。
『1年後』
何をしているかは分からない。
それでも、
1年後、自分がどう有れるのか。
願わくば、
この未来に
ほんの少しの祝福を。
『子供の頃は』
今になって思う、後悔。
未来に、夢を見ていた幼き頃。
子供の頃。
周りは大人で、
それを羨み、
それはそれは非常に妬ましいものであった。
自分よりも自由度が高く、
考える時間もなしに、すぐに答えが出る、
そんな、自分よりも年上の人の存在が、
とても羨ましいものであった。
そして今。
段々と現実が汚く見えてくる。
周りの大人の裏が見えて、
何が綺麗で、何が汚いのか。
それがすべて汚く、薄汚れている世界だと
だんだんと、そう気付いてきてしまった。
自分よりも年上の人は醜く、
羨むものなど何もない。
ただ厳しい世界だけが垣間見えてきて、
社会の醜さを体感する。
純粋無垢だった、あの頃。
あの、子供の頃。
こうなりたい、と夢を持ち、
希望に溢れ、
目を輝かせたあの頃に、
また戻りたい。
現実を知らないまま、
過ごしていたい。
それでよかった。夢を見るだけ。
それでよかった。想望するだけ。
どんな大人になりたいか。
それでよかった。
子供の頃は。
『好きな色』
この世には、色なんて無限大にある。
少しの色味の違いで、まったく違う色にもなるし、見分けがつかないくらいの色にもなる。
これは、きっと私達人間も同じ。
私達が好きな「色」を探したとき、
惹かれた色を持っている人に、惚れる。
全く違う色は、喧嘩して、
同じような色は、馴染み合う。
でも、すべてがそうってわけじゃない。
例えば、青、赤、黄色は全く違う色だけど、
混ぜれば黒となり、
混ぜなくてもうまく置けば、
綺麗な色になる。
逆に同じような色どうしでは、
平坦になり、代わり映えがしない。
だからこそ色の世界は広く、深く
馴染み、そしてまた深く、淡く。
何億兆とある色は、私達、人間みたいで
色が、それぞれの個性で
色の差が、それぞれの可能性
…なのかもしれない