ゆーがめ 普通イカの高校生

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6/18/2024, 12:13:52 PM

『落下』

見せて
そう言われた瞬間に、身体が軽くなる。
身体の向きを変えてみると、
目を丸くして、こちらを見る彼女。
スローモーションのように、コマ送りで流れていく視界。
アニメーションのように、ただ淡々と0.03秒ずつ流れていく画像。
地上を背にした背面からは、凄まじい風が吹く。
髪は揺れ、重力に逆らい、
身体は落ち、重力に逆らうこともなく。
慣性なんて嘘のように。

強く、強く、
地面に叩きつけられる。
そうか。
文字通り、私はあの子の足元ってことか。
文字通り落ちて、
堕ちたのか。
『未来』なんてない、この現実に。

6/17/2024, 11:34:35 PM

『未来』

過去は過去で、
未来は未来
なんて思うけど、
1秒先の未来なんて現在だし、
すべてがそんなはっきりとした未来じゃない。

未来の僕らへ。
遠い、未来の僕らへ。
10年後の未来がどうなるかなんて、
わからないけれど
きっと
この未来が眩しくなるみたく
なんとなくでいい。
こんな未来になれと、
なんとなく、
未来の、希望を願う。
その希望が、
どんなに遠くとも。

6/16/2024, 12:53:49 PM

『1年前』

──1年前、
私、何してたっけ。
そう考えると、苦しい思い出しかない。
友達に容姿をからかわれ、罵詈雑言。
テストの点が悪いだけでバカと言われ、
部活も馬鹿にされ、
さらには勉強の努力さえも否定された。
受験生だったこともあり、危機感はあったが、ここまで言われるとは思ってもいなかった。

やる気は失せたが、そんなことをしている場合ではない、と深夜に必死にやっていた気がする。
今までの成績もあり、推薦は貰えなかったが、一般試験で合格した。

その、私を馬鹿にした奴らとはほぼ同じくらいの偏差値の学校。
それに、そいつらの学校よりも校風、文化、行事は充実している。
もう彼らにはぐうの音すら言わせない。
もう、彼らが私を振り返る頃には、そこに私はいない。
その、はるか前に進んでいるから。
もう、私は彼らが思う、私じゃないから。

1年前と、いつまでも振り返っていればいい。
その間に、私は1年後まで進んで行くから

6/14/2024, 12:56:53 PM

『あいまいな空』

曖昧。
毎日眺めるこの空は、好きになる日と、
好きじゃない日がある。
広く、澄んだ綺麗な水色の空が好き。
黒く、曇った薄暗い灰色の空が嫌い。
透明な、綺麗な空から降る雨は、心を洗い流してくれる気がして。
でも、何故か ぎこちない。
なんだか、この空に、気持ちが左右されている気がして。
空なんて所詮、神様の気分かな。
それくらい あいまいな空が、
私を曖昧にしているのかもしれない。
例えば、気分屋だってこととか、ね。

6/13/2024, 1:07:14 PM

『あじさい』

この時期になると、あじさいがきれいに見えるようになる。
雨がポツポツと音を立てながら、あじさいの葉の上に落ち、滴る。
その上をノコノコと歩いていた蝸牛は、雨に打たれて丸くなったかと思えば、ころんと落ちた。
空は灰色。
日の光は非常に弱く、少々薄暗い。
その中でのあじさいはコントラストが強く、より存在を際立たせる。

──紫陽花の花言葉は、移り気、浮気、無常。
毎年、無常なあじさいに、そこら辺の花から移り気をして、見とれる。
雨さえなければ、美しいのに。
…いや、雨だからこそ、その存在が美しいのか。

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