『1年前』
──1年前、
私、何してたっけ。
そう考えると、苦しい思い出しかない。
友達に容姿をからかわれ、罵詈雑言。
テストの点が悪いだけでバカと言われ、
部活も馬鹿にされ、
さらには勉強の努力さえも否定された。
受験生だったこともあり、危機感はあったが、ここまで言われるとは思ってもいなかった。
やる気は失せたが、そんなことをしている場合ではない、と深夜に必死にやっていた気がする。
今までの成績もあり、推薦は貰えなかったが、一般試験で合格した。
その、私を馬鹿にした奴らとはほぼ同じくらいの偏差値の学校。
それに、そいつらの学校よりも校風、文化、行事は充実している。
もう彼らにはぐうの音すら言わせない。
もう、彼らが私を振り返る頃には、そこに私はいない。
その、はるか前に進んでいるから。
もう、私は彼らが思う、私じゃないから。
1年前と、いつまでも振り返っていればいい。
その間に、私は1年後まで進んで行くから
『あいまいな空』
曖昧。
毎日眺めるこの空は、好きになる日と、
好きじゃない日がある。
広く、澄んだ綺麗な水色の空が好き。
黒く、曇った薄暗い灰色の空が嫌い。
透明な、綺麗な空から降る雨は、心を洗い流してくれる気がして。
でも、何故か ぎこちない。
なんだか、この空に、気持ちが左右されている気がして。
空なんて所詮、神様の気分かな。
それくらい あいまいな空が、
私を曖昧にしているのかもしれない。
例えば、気分屋だってこととか、ね。
『あじさい』
この時期になると、あじさいがきれいに見えるようになる。
雨がポツポツと音を立てながら、あじさいの葉の上に落ち、滴る。
その上をノコノコと歩いていた蝸牛は、雨に打たれて丸くなったかと思えば、ころんと落ちた。
空は灰色。
日の光は非常に弱く、少々薄暗い。
その中でのあじさいはコントラストが強く、より存在を際立たせる。
──紫陽花の花言葉は、移り気、浮気、無常。
毎年、無常なあじさいに、そこら辺の花から移り気をして、見とれる。
雨さえなければ、美しいのに。
…いや、雨だからこそ、その存在が美しいのか。
『街』
昼間には人が栄えて、
夜には静まり返る。
そんなギャップがおもしろい。
いろんな人の声が交わる昼間と違って、
ただこの街の明かりだけがキラキラと光り、
昼間のような、話し声や施設などの音はあんまり聞こえない。
夜、月の光さえもわからないこの街は、
眠らない街。
だった。
そのはずだった。
だんだんと、夜も静かに
あたりは暗くなり
やがて昼間でさえも、
もうあの活気はない。
何が、この街を変えたのか。
何故、昼も、夜も、
至極静かな街になってしまったんだろう。
いつのまにか。
『やりたいこと』
やりたいこと。
私のやりたいことって、なんだろう。
自分でもわからない。
でも周りは、みんなは、
自分のやりたいことが決まってる。
そんな環境に、ただ焦る。
──いつになったら自分を見つけられるんだろう。
周りの人はちゃんと目標があって、
それを目指して努力してる。
なんで、私だけ努力するスタート地点にすら立ててないんだろう。
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これから見つければいい。
ここから、また始めればいい。
ここから、やりたいことを探せばいい。
それでも見つからなければ、それでいい。
どんな小さな、些細なことでもいい。
直感でもいい。
人生は一瞬で終わってしまうのだから。
今、やりたいことを、
存分に、一生懸命にやればいい。