『透明』
わたくしの人生は、全て色でできている。
胸を張って語れる程ではないけれど、
少しだけ誇れる人生。
わたくしが思ったことをすれば、
良い結果になる。
わたくしが歩けば、
道ができる。
そんな、都合のいい人生。
でもこの人生は、全て透明な色。
良く言えば透き通っていて、
悪く言えば何もない。
わたくしは、何をしてきたんだろう。
今までの、透明な人生で。
『理想のあなた』
私が求める理想。
その全てが空想で、
その全てがたまらなく、
欲しくなる。
細かいことや押しつけなんて言わないけれど、
自分がしたいこと、
それだけが理想ってわけじゃない。
なりたい自分、
強く願ったことが
貴方が求める、
理想のあなた。
これからどう、
その理想になるのか、
どんな道を通るのかはあなた次第。
そんなことを思いながら、
15歳の冬、鉛筆を握りしめた。
『突然の別れ』
愛する人ほど、すぐに別れてしまう
大切な人ほど、すぐに別れが来てしまう。
もう何年か前のこと、
それは突然やってきた。
音もなく、
悲しむ余裕も、怒る余裕も、
心には残っていなかった。
いつそんな風になるかなんて、誰もわからない。
いつ、突然の別れを迎えるかなんて、誰もわからない。
だから僕は恨んでしまう。
3月11日
1月1日
2回に渡り僕から全てを奪っていった、
あの自然現象を。
あの、大きな地震を。
『愛があればなんでもできる?』
愛があればなんでもできるか?
──否。
逆に、お金があればなんでもできるか?
──否。
ひとりひとりが望む、幸せ。
それは恋で始まり、愛で終わる。
それは愛で始まり、死で終わる。
愛でお金は手に入らない。
また然り、お金で愛は手に入らない。
愛を語るのは自由だ。
自由で得られるのも、愛だ。
愛は、愛となり
愛は死となる。
『後悔』
あの日のことを、いつまでも、いつまでも、
覚えている。
それも、ものすごく、鮮明に。
何度も、何度も、その映像が脳内で再生される。
何度も、何度も、その声が脳内で再生される。
僕には姉がいた。
僕は当時、反抗期で姉ちゃんとはあまり一緒にいたくなかった。
優しくしてくれる姉ちゃんと話すのが、なんとなく恥ずかしかった。
とある日、僕と姉ちゃんは母さんから買い物を頼まれた。
なんとなく、嫌だったけど、一緒に行くことにした。
普通に買い物をして、なんだか幼い頃に戻ったみたいだった。
でも、その帰り、事件は起きた。
誰かに、後をつけられている気がした。
そう横を見た瞬間、
姉ちゃんが、刺されて、倒れた。
その胸には刃渡り15cmくらいの、包丁が突き刺さされた。
そのすぐ横には、走る男の姿が見えた。
僕は、怖くて逃げようとした、その時
「たす…けて」
姉の、かすれた声が聞こえた。
でも、僕は逃げ出してしまった。
急いで家に戻り、母に起きたことをすべて話した。
───もう、手遅れだった。
だから僕は、
今日のことを、いつまでも、いつまでも、
覚えている。
それも、ものすごく、鮮明に。
何度も、何度も、その映像が脳内で再生される。
何度も、何度も、その声が脳内で再生される。
たすけて、と。
姉は僕に助けを求めた。
それでも僕は逃げ出した。
後悔。
人生最大の、後悔をしている。
僕がもしあのとき、助けられていたのならば、姉は助かっていたのかもしれない。
姉ちゃんは、今も生きていたかもしれない。
後悔。
後悔。