頭のいい誰かがタイムマシーンを発明したとして
過去や未来に行くのってすごくエネルギーが必要なんじゃないだろうか
相対性理論とかよくわかんないけど
すごく大変そう
もしかするとタイムマシーンの形は
みんなが想像するような乗り物ではないのかもしれない
高層ビルとかタワーとか、むしろ建物なんじゃないかな
そうだとすれば、過去や未来にどでかい建物が急に現れるのかな
なんかおもしろい
タイムマシーン
黄ばんだ月が私たちを覗いています
カーテンを閉めれば何も入ってこない
月明かりも社会の喧騒も
何もない
外界から遮断された狭隘な部屋を
常夜灯の橙色だけが照らしています
互いに触れ合うこともなく
ただそこにいるだけでした
部屋が夜で飽和している
結合と分解を繰り返し
私たちはただ目を合わせた
「どこにも行きたくないね」
「そうだね」
明日は天気がいいらしい
特別な夜
言葉よりも深い潮騒の旋律が
私の脳神経をフィルタリングしました
砂浜にある様々な漂着物は
そのすべてが私を祝福しているようでした
朝だというのに騒々しい白波
錆びた道路標識の軋む音
私の世界を奏でます
スニーカーを海に浸すと
冷感が身体を這い上るようでした
「冬の海はやっぱり冷たいんだな」
なんて他人事に考える私がそこにいました
腰が浸かるあたりまで進んで漸く後悔し始めて
曇り空を見上げました
あなたを思い出してしまいました
振り返っても
何もありませんでした
天国も、鉄塔も、人々も、あなたも
それでも思い出してしまうから
忘れてしまいたいから
あなたから最も遠い場所へ
海の底へと向かうのです
海の底
揮発性の私が空間に溶ける
散らかった立方体を私で満たす
それは際限なく
私が世界を満たす
それでも君はいない
死が世界の外にあるならば
君は外側から世界を覗いているのだろうか
私を見ているのだろうか
薄明光線のように
私の世界を照らす
ただ君に会いたくて、今日も鉄塔に登る
君に会いたくて
ありふれた風景を写真に収める
通学路の落葉とひび割れたアスファルト
11階から見る夕焼けと工場の煙
あの子が飛び降りた鉄塔
その日聴いていた音楽を記録する
kuragariのきらめき
エリック・サティの夢見る魚
SuUの骨
私の1日のコピー&ペースト
1冊のノートに私を写す
私の閉ざされた世界の日記
忘れないように
閉ざされた日記