すぴか

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言葉よりも深い潮騒の旋律が
私の脳神経をフィルタリングしました
砂浜にある様々な漂着物は
そのすべてが私を祝福しているようでした
朝だというのに騒々しい白波
錆びた道路標識の軋む音
私の世界を奏でます

スニーカーを海に浸すと
冷感が身体を這い上るようでした
「冬の海はやっぱり冷たいんだな」
なんて他人事に考える私がそこにいました
腰が浸かるあたりまで進んで漸く後悔し始めて
曇り空を見上げました
あなたを思い出してしまいました

振り返っても
何もありませんでした
天国も、鉄塔も、人々も、あなたも
それでも思い出してしまうから
忘れてしまいたいから
あなたから最も遠い場所へ
海の底へと向かうのです

海の底

1/21/2026, 2:45:24 AM