傘の中の秘密

こどもの頃
母が傘に書いてくれたハム太郎

わたしが傘をさす時に
ちゃんとこっちを向いてるようにって
書きづらいのにわざわざ内側に描いてくれた

だけど私はそれを使うのが恥ずかしくって
友達みたいに、どこかのお店で買うハム太郎の傘がよくて
結局一回も使えなかった

今でも傘の中にいるときは
ふと母を思い出す

あの時本当は嬉しかったよって
ちゃんと伝えるべきなんだけど
秘密にしたままで
ごめんね、ありがとうね

雨上がり

もうちょっと早く上がってくれれば
洗濯物干してこれたのになぁとか

「虹が出てたみたいですよ！
しかも2重の！！見ました？」とか

長い傘持ってきちゃって
あ〜、これ帰り忘れそうだなって思ってたけど
案の定会社に忘れてきちゃったよとか

「あっ、これ傘忘れてましたよ！」とか

日差しできらきらと弾けるような
葉に落ちた雫、美しいなとか

なんてことない日常の話
文字にするまでこぼれて消えてた
ちいさな「嬉しい」たち

勝ち負けなんて

「こんなんじゃうちら負け癖がつくよ」
高二の夏、部員の1人が言った言葉を
ずっと覚えてる

私は今も弱い自分に負けっぱなし、
勝った！と思う日が来るのかな

でも待って、自分に負けてるってことは
私を負かしてるのも「わたし」で
じゃあ「わたし」は私に勝ってるってことか

？？？
よくわかんないや、

負けてる実感しかないんだよな、いまのところ。

まだ続く物語

起承転結
めでたしめでたし
エンドロール
映画には決められたはじまりとおわりがある

けど

私の人生、いま何チャプター目？

10分後も10年後も
まだ続いているかな
どんな作品にしたいかなぁ









...
学生の時に聞いたチャットモンチーの「CAT WALK」の歌詞がずっと頭の片隅にあります。

渡り鳥

渡り鳥
曇り空
散り桜
眠り顔

柔らかくて優しくて美しい日本語