さらさら
さらさらの指通りか
つやつやの潤いか
1ヶ月半に一度 毎度真剣に悩む2択
どっちがほしいかな、
どっちも欲しいんだよな
これで最後
ポテチの最後のひとかけらの惜しさくらい
大切な人とのお別れの日も
ちゃんと実感が湧けばいいのに
君の名前を呼んだ日
恋人と別れた。
友達から恋愛に発展したから
ずうっとあだ名で呼び続けてた元、恋人。
名前もかっこよくて好きだったけど、
やっぱりちょっと
恥ずかしさが勝ってしまって
最後まで、
みんなが呼ぶのとおんなじ
名字を変形させた呼び方で
君のことを呼んでいた。
そんなこと
普段は思い出すこともなかったんだけど
なんてことない
「昔付き合った人の名前発表し合おうよ」みたいな
女子同士のほろ酔いトーク、
あの日はどうも逃げ切れなくて
君の名前を呼ぶ日が
人生で初めて訪れた。
初めてだったから妙に照れちゃって、
いやでもこれは5%のお酒を何杯か飲んでるからで、
友達は面白がって「また連絡してみれば?」とか言うけど
今も好きとかは全然なくて
今頃どうしてるかも全然わからなくて
いや、本当にもう未練とかもなくて、
あれ、否定すればするほど怪しいか?
本当になんにもないんだけど、
まあこの場が盛り上がったから私は満足です
とか言っちゃって
でもね、
あの時みんなが呼ぶのと違う
「特別」を私がひとりじめしても
よかったのになぁなんて。
なんだかしみじみ思い出に浸っちゃう
そんな夜のお酒も美味しい
やさしい雨音
正直
雨が好きか嫌いか、
2択で言ったら絶対にこっちって言い切れるほど
強い感情はなくて
せっかく巻いた髪がまっすぐになっちゃうのは嫌だし
でも
色とりどりの傘が
ぼよんぼよんと歩いて行くのを眺めるのは
刹那的な芸術作品を見てるみたいで好きだし
ひとことでは言い切れないんだけどね
でも君が
「雨の音を聞くと優しい気持ちになれるよね」
って言ってたから
雨の音って優しい気持ちになるんだと思う
たぶん、そう、
君がそう言うなら、たぶんそうなんだと思う
歌
わたしはあのアイドルのファン
って
上司も同僚もみんな知ってるから
カラオケに行ったら
「これ好きでしょ?歌って良いよ!」
って勝手に入れてくれるけど
歌うけど
違うの、自分の声で聞きたくないの、
あの子の声で聞きたいの、
カラオケで入れるなら
MV見るのに忙しいから
歌っている暇なんてないの
って思うけど
優しさで歌わせてくれてるって
わかるからね、
面倒なオタクだなって思われたくないしね、
本心を話して馬鹿にされたら悲しいからね、
そんな気持ちはぐっと堪えて
有り難く
歌うんだけど、
歌うんだけどね、
うーん、
わたしって性善説派なんだか性悪説派なんだか
どっちなんだろうね
好きなものは好きって言いたい
でもその気持ちを傷つけられるなら
言いたくない
私の「大切」は私が大切にしてあげればいい
どこまで曝け出すかの匙加減、
相手を信じられるかの信頼博打
なーんて思ってる社員行事