どうしても…
どうしても許せなかった。わたしの、わたしのあなたなのに。わたしの方があなたと深い仲だっていうのに、どうして、どうしてあんなやつらが優先されるの?わたしより優先されるべき存在なの?なんで?どうして?どうしても、どうしても、それだけが許せない。許せなかった。
酸素
あなたの傍にいることで、あなたと同じ酸素を吸える。しあわせだね。
記憶の海
わたしの記憶の海は、濁っていて、身体を浸すと纏わりついてくる。汚くて、重くて、底が見えないくらい真っ暗で。空も曇っていて、光すら見えなくて。
でも、そんなところにあなたが来て、あなたは光を与えてくれた。真っ暗な海の底から記憶のひと欠片をすくい上げて、あなたは優しく抱きしめてくれた。否定され、拒絶され続けたわたしの想いを、あなたは受け入れて愛してくれた。あなたの優しさで、少しづつわたしの海がグレーになっていく。
黒に白を足しても綺麗な白にはなれない。そんなことは分かりきっている。でも、綺麗な白になれなくても、黒色は薄くなっていく。
わたしの記憶の海が完璧に綺麗になることはないでしょう。でも、あなたが光をくれたから、空は少しづつ晴れて、水は濁りが減っていく。いつか、黒色の少なくなった記憶の海で、あなたを笑顔で待てたなら。
ただ君だけ
わたしの人生には、あなただけがいてくれればそれでいい。あなただけいれば、他の人間なんてどうなろうとかまわないの。
わたしの目に映るのは、愛おしいあなたの姿だけ。
わたしの耳に聞こえてくるのは、わたしの名前を
呼んでくれる甘くて優しい声だけ。
わたしが触れるのは、あなたの髪、頬、唇、手、足…あなたという人間を形作るすべて。
わたしの心に響くのは、誰でもない、ずっと傍にいると誓ってくれたあなたの言葉だけ。
わたしという存在は、あなたがいて、はじめて成り立つ。わたしの全部はあなたのためにある。髪の1本から、爪の先まで。全部あなたのもの。だから、あなたはわたしだけ求めて、わたしだけ愛して。
わたしには、あなただけしかいないの。
未来への船
あなたと交わした「大人になったら結婚しようね」という、ずいぶんと子どもじみた約束が、誓いが、わたしを生かす糧になり、未来へ進ませてくれる船になる。