10/1/2022, 1:05:38 PM
見渡す限り
一面オレンジ
昼のざわめきが溶けていく
ゆったり息を吸い込んで
からだの芯まで夕陽で満たせば
まぶたの裏によみがえる
ともだちのうしろすがた
記憶の蓋を開く
カレーのにおい
9/20/2022, 8:37:12 AM
秋風
さやさや
カーテンゆらして
部屋に射し込む
夕陽がきれい
開けた窓から
こどもたちの声
本を捲る指はゆったりと
私ずっとこうしていたいわ
9/11/2022, 10:58:01 AM
はじめはさむざむ雪が降るなか
みなの笑顔はあたたかく
私をみて喜ぶこどもたち
そして日差しはあたたかく
ぴかぴかの鞄を背負ってこどもが駆けてゆく
私の顔にはおおきな花丸
外から聞こえる蝉の声
家のものは大きな荷物を抱えて出かけて行った
私の時はしばらく止まる
窓から吹き込む風は涼しく
親子はやさしい月を眺める
私のからだもあとすこし
そして、最期も寒い日だった
食卓を囲む愛しい人達
さあ、ページをめくって
新たな私になるために
9/10/2022, 12:08:11 AM
ひとはみな こころにみずうみ
澄んで 波立って 濁って 凪いで
生きている限りくりかえし
ふかく ひろく
あなたのみずうみ
けして他人を寄せ付けぬ
あなただけのみずうみ
9/9/2022, 1:11:54 PM
何度見送っても慣れぬ
昨日まで笑っていた優しさが
無愛想な中に隠された恐怖が 不安が
希望が 絶望が
全てのこころが
閉じられた瞼の下へ潜り込み
心臓がとまりゆく
胸の拍動は 電気信号
心電図につながれて いのちの データ化
悲しさはもう既に感じない
しかし 慣れぬ
慣れたくないと祈っている
そこにいるのは いたのは いのち