「 喪失感 」
“ 彼奴 ” が居なくなってから1日。
軽い 喪失感 が込み上げてくる 。 お前と食ったアイスも 、 お前と見た 花火 も 、 お前と 壊した夏 が 今にも鮮明に浮かび上がってくるのが分かる ,
ふと 「 朝起きたらお前がまだこの世界に居るんじゃないか 」 って思ってしまう 。 なんなんだろうこの感情は。
“ スタンミさん ! ”
…… 駄目だ、今 お前の名前を 口にしたら 目から涙が零れそうになるから 。
「 … もっと お前と一緒に 居たかった ッ 、 」
「 夏が壊れる __ 」
2024 . 9/11
「 時を告げる 」
「 ちょっと あの 、 最期 に行きたいとこ あるんス 」
写真撮影が終わった後、手を挙げてそう言った。
「 お 、 なるほど いいよ 〜 ? 」
そう言うと目的地に繋がるゲートだろうか、そこに向かい2人とも足を運ぶ。
そこには何処までも果てしない青空と宇宙船、、らしきものが飛んでいた
「 なんここ 、 ? 」
「 ちょ 、 ちょっと待ってくださいね 、 」
何かいじって居るらしい、一体何をいじっているのかは自分には分からない
終わったのだろうか、ふと振り向くとそこにはぽつんと “ 何か ” が置いてあった
「 これ 自分のっス 」
笑いながら指差すお前に
「 え っ これ お前のなの ? 笑 」
…この時で、 「 まさか 、 」 とは思った。
「 え 、 俺の分あんの ? 俺のも出して 」
そう言ったときだった
「 .. あの … 、 その ,, 自分ちょっと … 帰んなきゃ 行けない 、 」
「 … 何 、 ? 何処に ,, ? 」
「 自分の 、、 居たとこっス … 」
「 … これで 、 !? 」
「 そうっス 、 ! 」
「 どゆこと 帰んなくて 良くない ? … 全然 、 」
素直に 「 帰らないで 」 と言える性格なら良かった。もしくは、ごねずに 「 楽しかった 」 と言える優しさがあったら、でも自分は強欲だから明日も、明後日も、次の季節もそのまた次の季節だって、一緒に居ると思ってた。
「「 呪いなんじゃないっスか ? いて欲しいってのも 。 」」
夏だけだと決まっていたのに、別れを口にしたのが直前なのも、ごねる俺を理解していたからだろう。ごねる俺を無理やり諭してお前は帰るつもりだったんだろう。何処まで大人なのか。別れを言うトコロバの声は明るく、…それで居てどこか急いでいるようだった。
……そうか、トコロバも辛いんだな。
俺のために諭す大人になろうとするトコロバ。ここまでさせてしまうのは申し訳なかった。
「 …… また 、 遊べんだよな !? 」
泣きそうになる感情をグッと堪えて強い相槌を2回。
「 はい ! 」
それならもう、、何も聞かない。トコロバばかりに気を遣わせてしまうのは、嫌だから。
ぐらぐらと離陸する飛行機が涙で滲んで見えなくなる。
震える声でそう叫んだ。
「 遅かったら 迎えに行くからな !! 」
「 夏が壊れる __ 」
2024 . 9/6
「 貝殻 」
「 おい トコロバ 〜 ! 見よろこれ !! 」
そう言って貝殻を見せてくるスタンミさん。
「 綺麗だろ ! これ お前にあげるわ ! 」
「 え いいんすか 、 !? 」
笑顔で渡された貝殻は他の貝殻より光っているように見えた、なんでだろう、
「 夏が壊れる __ 」
2024 . 9/6
「 些細なことでも 」
「 あれ 、 スタンミさん 髪型少し 変わりました ? 」
「 ぉ 良く気付いたな ! 」
「 こう見えても スタンミさんの事は 良く見てますからね 、 」
「 … トコロバ 〜 !! 」
些細な事でも気づいてくれるお前が好きだ。
「 夏が壊れる __ 」
2024 . 8/4
「 心の灯火 」
ある日、俺は宇宙人と出会った。
「 コ 、 コンチワ ー … 」
それが俺と彼奴の関わりの切っ掛けだった、今年の夏もいつも通り終わって、来年の夏も再来年の夏もそうだと思っていた,
〝 彼奴 〟 と会うまでは 。
「 ぁ 、 こんちわ 。 」
驚きが混じった声だろう、なんにせよあんな宇宙人に声を掛けられるなんてないからだ、心に灯火が付いたみたいに熱くなったのが分かった。
「 夏が壊れる __ 」
2024 . 8/3