落ちていく
私は幼少から酷い虐めにあっており
いつも傷だらけで体中痛かった
家は貧しく、両親の夫婦仲も悪く
絶望の毎日で根暗と言うあだ名だったのだが
子供のクセに心の中ではこっそりと
人間の深遠に触れたと驕り高ぶり
自分が正義の味方だと思い
善行だけを行う善人だと思い込んでいたが
長く生きると、自分が良かれと思ってした事も
実は誰かを傷付けていたり
強すぎる正義の主張こそが悪になっていたり
悪意が無くても、失敗した時には加害者になってしまう事すら有り、
ふとすると
気持ちが堕ちて真っ暗闇に呑まれて
自分自体が真っ暗闇なんじゃないかと思うけれど
真っ暗闇から見た景色は
物凄く明るくて眩しくて
あぁ、なんて世界は素敵なんだろうって
涙が出る程、毎日感動できる
みんなありがとう。
大好き。
夫婦
独身の身からすると
気の合う仕事仲間が
うちの主人がね、と話す瞬間
う……
と、引け目を感じてしまうのだ
独り身で子供がいない事を知られると
可哀想
と言われてしまう事もあるし
罪人のように言う人もいる
でも私が感じるのは
旦那さんと共に暮らした夫婦の歴史が眩しくて
尊くて、
他人を愛して譲歩したり、助けあったりしながら
自分達の子供を愛して世話をして、
時には理不尽に耐えたり、
子供や旦那さんや、親戚の為に我慢して、
頑張ってこの人はこうして今存在しているのだな、と
光り輝く人間性の高さを感じて
それに比べて私は人生経験が積めなかったんだ
凄く一般の人達より劣っているのかな……と
劣等感で身の置き所が無くなるのだ
私は男性から求められもせず、子孫を残せなかった。
このまま存在していてもよいのだろうか……。
自分の存在の可否を考える事自体が傲慢なのかもしれない。
寒くて暗い1人の時間はつい、こんな事ばかり考えてしまう。
絵を描いている時は存在していても許される気がする。
この形、この色、雰囲気……これで、いいか、いや違う、しかし何が正解なのだろう、正解など無いのかもしれない……
チマチマチマチマ考えている間は自分の存在に悩まない。
私の存在全てを許してくれる神がいるなら、芸術の神なのだと思う。
神様、私の孤独を生贄にしますからお願いですから良い絵を描かせてください。
天国と地獄
私は今、他の仕事場にお手伝いに行っている
明るくて綺麗な場所でみんな優しい。
天国だ。
しかし、元々いた職場の
教育担当の先輩に恫喝され
泣きながら必死に耐えて覚えた仕事
まさに地獄と言っても過言では無かったが
その地獄の中で見た
優しく慰めてくれた先輩の笑顔は後光が指すほど光り輝いて見えたし
同期の、苦難を共にした戦友のような熱い友情
辛く苛酷な現場で生まれた愛社精神
いつも薄暗く、ロマンチックな美しさ
飴と鞭
鞭で打たれたような、
いつも血を流してズキズキ痛む心
常にギチギチに縛られたような緊張感
愛に飢えた心に
優しさと言う名前の飴がたまらなく甘美だった。
闇が深いほど、光がまぶしく、ドラマチックで陶酔した。
怒り憎しみ愛おしさ
あの地獄にまだ心を残している。
真夜中
真夜中に恋文を書くと失敗すると言う話を思い出した。
私の今のバイト先は薄暗い、そして肉体的にとても疲れる。
非日常の世界は常に真夜中のようであり、そのようなテンションになっていた。
本日、昼にご近所の集まりが有り、写真を撮っていただいたのだが
写っている自分を見て
伯母に生き写しであった。
伯母は生涯独身であり、私の幼い頃は両親よりも可愛がっていただき、
いつも、珍しいおもちゃを買ってくれた人であった。
大好きだったのだが、1つ残念に思っていたのは
なんで、おばちゃんは、女の人っぽい洋服を着ないのかな?変わってる……。
と、いつも思っていた。
母から聞いた話だが、伯母はお見合い結婚をしたが
旅館で旦那さんのスネ毛を初めて見て仰天、驚愕して逃げて帰ってしまって、結婚は無しになったそうだ。
そうなるとバツイチ?なので
エピソードとしては悲惨だが
選んでくれる人がいたので私よりはまだマシなのでは無いかと思う。
しかし、私は最近浮かれていた。
今は深夜テンションで書いた自分の恋文を読んで恥ずかしくなっているような気持ちである……。
職場で私に思わせぶりゲームをしている男性たちに申し上げたいのだが、
痛々しいおばさんをからかって遊ぶのは、本当に可哀想だからやめてあげてください。
罰が当たりますよ!
来世は私と伯母のような、いつまでも乙女を内包したおばさんになって苦しんでください!
後悔
私は死にそうになった事が有る。
巨大な腫瘍がお腹にできてしまったのだ
しかも子宮である。
私は男性といたした事が無く中年になってしまって
子宮を全摘するのが嫌で嫌で食事も睡眠も取れなくなり
医師に
「そんなに嫌なら子宮を残しますね。」
と、言われてなんとか大手術を耐えて子宮を残してもらった。
大手術過ぎて上の血圧が60になってもうちょいで、上か下かに召されるところであった。
しかしながら、お相手が見つからず
とうとう子供を産めない年齢になってしまった。
昔、まだ30代だった時に
どう見てもSMでもしてそうな男性がいたので
冗談で、
やってそうですねと言ったら本物だった。
後日誘われて
「君の白い太ももをムチで打ちたい。」
と、メールが来てしまった。
もちろんお断りしたが
ここまでチャンスが無いと
人生経験として何でも(初回からハードすぎる)やっておけばよかったかな……って思っちゃったよねー。
何がエマニエル夫人だよ、中身だけ乙女の清純おばさんだから、毎日が切なくて泣いちゃう。