仕事でトラブルがかさなり22時を回る大残業をした帰り道。
溜息をつきながら車を走らせ、夜道に光る街灯と信号が哀愁を誘う。
空気を読むかのように流れ出したダウンテンポの音楽が寂しさと虚しさを感じさせる。
「あぁ なにしてんだろ。」
学生の頃に想像してた社会人とは違う気がする。
それでも、お家に帰れば君が待ってくれている。
暖かいご飯を作って。
早く会いたい、そう思ってアクセルを少し強く踏み込む。
(哀愁を誘う)
君と一緒にいる時間は、1時間が1分に感じるほど短くて楽しい。
でも、君のいないときは永遠に感じられるほど長くてつまらない。
早く帰ってきてね。
一緒にご飯食べよう。
「おはよう」
「行ってきます」「行ってらっしゃい」
「ただいま」「おかえり」
「おやすみ」
そう言い合える人と一緒に住めていること。
この幸せは当たり前じゃない。いつまでもこの関係が続いてくれますように。
多くは求めない。ただ君と一緒にいられる時間それが僕の理想郷。
あまり無理はしないでね。
人生は1度だから自分が思うように生きるのもいいと思う。失敗したっていい、僕だけは味方でいるからさ。
君が心から笑えますように。
ふと写真フォルダを見返す。
何年も前の高校時代の写真だ。男しかいないクラスで3年間過ごしたんだよなぁ。
授業中に騒いで怒られたり、部活抜け出してコンビニで買い食いしたり、お小遣いほしさに始めたバイト。
他校の女の子と恋愛してみたり。
楽しくて毎日キラキラしてたっけな。
今なんかどうだ、会社と家の往復ですよ。
あの時なりたくないと思っていた社畜の成れ果て。これが現実なんですよね。
懐かしいなぁ。いやほんとに懐かしい。
僕は高校卒業して800kmも離れた遠いところに就職が決まっていた。すぐに帰れる距離じゃない。
とても仲のいい家族で、両親や兄と離れるのは正直寂しい気持ちもあったけど、それ以上に都会に憧れて、一人暮らしという新生活に胸を躍らせた。
両親は「強く生きろよ!」「頑張りなさいよ!」と応援しくれていた。
出発当日見送りに来てくれた家族や友達から色々な言葉をかけもらった。頑張ろうと心に誓った。
そして最後に、朝から少し静かだった父から
「やっぱりここに残ってくれないか?」
人生で初めて見た父の涙。
今更言うなよ。
それから4年たった今でも忘れられない。
明日電話するか...
今年の年末は実家に帰ろう。
【行かないで】