芽吹きの時
高校生の時、春爛漫の日曜日に、僕は倒れた。
自分の部屋に居たら、急に目の前が真っ白になり、何も分からなくなった。芽吹きの時は、僕みたいに倒れたり、変な人が出たり、って、よくあるらしいよ。それが、自分でもびっくりしたんだけど、目の前が真っ暗になるってよく言うけど、僕は、本当にハレーション起こしたように、目の前が真っ白だった。
倒れたことが有る人って、沢山いるのかどうか知らないけど、真っ暗だったか真っ白だったか教えて欲しいな。
とにかく、僕はそのまま入院し、高校3年生の大切な時期を棒に振った。でも、親の期待でプレッシャーがキツかったので、「病気だから仕方ないね」と、両親も自分も諦めることができた。
なんだか、緩い公立高校に入ったんだけど、そこがすごく自分に合っていて、そこから開校以来、と言われる難関大学に入った。のびのびやれたんだろうな。
芽吹きの時のアクシデントは、僕の人生に良い感じに影響してくれた。人生、分からないもんだね。
No.124
あの日の温もり
人の手の温もりは本当に「手当て」だね。
大学病院で大きな検査をしてもらったんだけど、麻酔してはいるものの、何とも言えない違和感が来るし、何しろ麻酔が痛い。
先生の助手についた看護師さんは、まだ若くて可愛かった。その子が、私が痛いだろうという場面で、私の肩口から手を擦ってくれるのだ。マッサージほどの力でもないし、優しく擦っているだけなのだが、彼女の優しさに涙が出た。何の役にも立たないことは分かってるけど、少しでも気持ちや痛みが和らいで!という気持ちなのだと思う。
彼女に「ありがとう」と伝えたら、にっこり笑ってくれた。あの小さな温もりは、正に手当てだった。
うちに帰ってその話をしたら、娘も、ちょっと私が参っていると擦ってくれるようになった。これも大きな喜びとなる。
No.123
cute!
猫を迎え入れた。
友人の家で生まれた5匹のうちから、1匹選んでと言われて見せてもらいに行ったのだ。5匹のうち、1番変な模様の愛嬌のある猫だ。
一人暮らしの女性が猫を飼ったら、もう誰とも付き合えないと言われているのは知っているが、猫は実家でも飼っていて好きだから。
仔猫は、まだ手の平に乗るほど小さくて、可愛くて可愛くて、こちらに向かって歩いてくる姿も、どこかに行こうと見せる後ろ姿も、もぉホントにキュート!柔らかな体毛のもふもふも好きで、ずっと撫でていたい。
別に、一生男性と付き合わなくてもいいかと思わせる、可愛い家族、迎えて良かった!
No.122
記録
家族の記録を、写真でしか残さなかったことで後悔している。テレビ番組で、子どもの運動会やら学芸会の記録が、媒体が変わってしまって、見られなくなったと言っていた。そして、見事に見られるようになった記録を見て涙していた。
そうか!動くっていうのは、感動なんだ!
結婚式でも、2人の幼い頃の動画や写真をコラージュして、参列者が感動するではありませんか。
でも、後の祭りで今さらどうにもならない。動画から写真を切り取ることは出来るが、写真から動画には出来ないもんね。
それで最近ちょっと凹んでいる。
No.121
さぁ冒険だ
もう、冒険に行くことはない。誘われても、行かない。大人になって超慎重になったのと、心臓が悪くなっていることもあり、無駄なドキドキは避けたい。つまらないねぇ!
まぁ、冒険は子どもの特権かな?子どもが冒険に出発するおとぎ話はいっぱい有るけど、みんな喜んで「行ってらっしゃい!」と見送るよね。鬼と戦ったり、強い熊と戦ったり、ずる賢いたぬきと戦ったりするのが、親は心配ではないのだろうか。ましてやおじいちゃんおばあちゃんの立場の人は、孫かわいさに必死で止めるのではないかなと思うんだけど。強い、勇敢な孫が自慢だから?
私だったら、今一緒に暮らしているドラ息子と、頑張って家事をしてくれる娘がいるけど、どっちも、戦いに送り出すことは出来ない。まぁ、せいぜいが外国に行きたいなら受け入れるかも知れないけど、長いことだと、心配で心配でしょうがないと思う。
そういうワケで、我が家は夫も私も子どもたちも含めて、冒険に行くということは無いと思う。
No.120