吾輩には名前が無いのである。

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5/14/2022, 12:24:52 PM


彼女はとても憤慨していた。

理由はきっと、昨夜の僕のあの態度だろう。

喧嘩をした次の朝はいつもこうだ
彼女が珈琲を淹れる手つきがいつもより少し荒い。


「昨日はごめん。」

「そうやってすぐ謝らないで。何が悪かったのか分かってないくせに。」


そうつぶやく彼女はテーブルに珈琲カップをふたつ並べた。


きっと僕は彼女のこういうところに惚れている。

5/11/2022, 12:31:20 PM

愛を叫ぶ。

聞き覚えのあるフレーズだな。と思った。
愛を叫んだところで、貴方に伝わるはずがないのに。

私が愛を叫んだところで、届くことなく沈んでく。

5/9/2022, 11:29:37 AM

忘れられない、いつまでも。

あれからどれだけの時間が経ったんだろう。


貴方の横顔、長いまつ毛、少しくせのある髪の毛、

私の顔をすっぽりと包んでしまう大きな手、

笑った時にできる眉間のしわ。


その全てを思い出してしまう。


あぁ、はやく忘れてしまいたい。



5/8/2022, 11:49:23 AM

「 1年後のわたし 」

授業中に書かされた作文のテーマはこれだった。

みんながすらすら書くなか、私のペンは止まっていた。

1年後なんて、そんなの分からない。

高校卒業後、やりたいことも、将来の夢も決まっていない私は、素直に書くことにした。



私には将来やりたいことがありません。



きっとこれを読んだ担任の先生は、進路指導の先生に相談するだろう。

そうすれば私は、あの先生と2人きりで話せるのだ。


5/7/2022, 12:07:18 PM

好きという感情がいまいちピンとこない。

足が早いから。
クラスの人気者だから。
頭がいいから。

みんなそんな理由で人を好きになる。

だけどその日、私は、
窓際の席で静かに本を読む君に心惹かれた。

理由は分からない。

ただ、家に帰ってからも目にかかる前髪を鬱陶しそうに手で払いながらひたすら本を読む姿を何度も思い出していた。


今になってわかる気がする。これはきっと、私の〝初恋〟だったんだろう。

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