【それでいい】
過去に縛られたままだと
目標の成功の可能性が下がるらしい。
また同じ失敗しないように、
次はどうにかできるように、
なんだか成功しそうな気がするけれど
違うようだ。
何も縛られず、その目標ひとつにまっすぐ取り組める
それが出来なきゃ、大きい壁は越えられないみたい。
心の健康というのは能力の調子に大きく関わる。
いつも調子が良くても、
急に友達と関係が悪くなった。
それだけで調子は変わってくる。
それを踏まえると
常に心の内に過去の過ちがあれば
仕方の無いことかもしれない。
私も髪を切ってから少しだけ調子が良くなった。
髪を伸ばして欲しい なんて過去に言われたことがある
いつか私の髪をお洒落に飾り付けたかったらしい
髪の長い自分は、その言葉を思い出させる。
鏡を見る度にあの夏を思い返してしまう
心が持たない。
でもそれは髪を切るに至らなかった。
あの頃を覚えていることは私の罪だったから。
少しでも償えたらって、これでいいって思えたから。
髪を切ったきっかけは単純だった。
忘れてしまいたい。ただそれだけ。
時間はもう十分過ぎて、新しい友人とも出会えた。
その友人に申し訳ないとも思ったんだ。
ずっと過去に縛られて、
しっかり向き合うことができないのは、
償いを理由にただ逃げてるだけだと思ったから
償う理由ごと忘れてしまえば、
今の友人達と向き合うことができるだろうか。
あの夏の日が起こったのは、
私があの子とちゃんと向き合えなかったからだ。
だから今度は間違えない。
いや、間違えてもしっかり向き合いたい。
あの夏の罪は忘れていいのだろうか
こんな私が前に進んでもいいのだろうか。
これは、それでいいって誰にも言われない。
この罪は私とあの子しか知らない。
私かあの子しか許しを与えられない。
そして絶対にあの子は許してはくれない
自分自身がそれでいいんだって言うしかない
その選択に胸を張れずとも、
後ろを振り返ることがあるとしても、
それでいいって言うしかない。
自分が自分を一番許せなくても、
また同じ失敗をしたとしても、
それでいいって思うしかない。
後ろを向いて歩くより、
前を向いて振り向きながらの方が歩きやすい。
誰もが知っている。
失敗を繰り返したくないのはみんな同じだから、
過去を思いながら歩くことは誰だってしてしまう。
まだ未練があってもいい。
自分を許せなくてもいい。
前だけでも向いてみて。
それでいい。
きっとそれだけいいんだ。
【エイプリルフール】
嘘は泥棒の始まり。
人を騙し、傷つけることは許されない。
それほどまでに重い罪なのだ。
でも今日だけは、その禁忌を犯していいみたいだ。
もし相手を傷つける結果になったとしても
エイプリルフールだからと許される
それって良いことなのか悪いことなのか分からないけど
罪を犯してもいい日を作ったのは、
誰しも、一度は悪いことをしてみたいと
心のどこかで思っているのだろう。
普段はいけないことを、してもいいことになる。
この上ない極上の快感だ。
今のままで十分幸せで、何不自由していないのに、
足りなくて、満たされないのは、
そういうことなのだろうね。
幸せを求めている訳じゃない。
昨日と同じじゃつまらない。
いつもとかけ離れた物。非日常がほしい。
楽しい楽しい毎日が。
嘘をつける日ということは、
そんな欲望を叶える重要な日なんだ。
嘘をつくことが日常になったこの国は
こんな素敵な日を気にもしていないだろうけどね。
嘘は方便なんて抜かすくらいだ。
まぁそんなこと私が一番言えないか、
誰かを楽しませるために、本来の自分隠すために、
利己的で最低な嘘をばらまいている。
この盾なしで、私が世の真実に耐えられるはずもない。
どこかで聞いた無知な方が幸せというのは
嘘では無いのだろう。
吸って吐くように嘘をつかなきゃ生きていけない
この世界の方がよっぽど嘘であって欲しかった。
そう思ってしまう私は世界よりも罪深いかもしれない。
【幸せに】
同じような性格の人間が、
それぞれが全く違う環境で過ごしたら
どちらの方が幸せだろうか。
どちらも平等に恵まれ、平等に恵まれないこと
その上で環境が全く異なることを条件とする。
ここでの環境は家庭、友人、学校や職場などの
"人間関係"のこと。
そんな実験でもされているかのような
誰も知ることのない、知る必要もないお話。
一人は家族に愛され、何不自由ない生活を送ったが
周りに恵まれず、絶望へ堕ちてしまった。
『家族以外誰も信じたくない。
友人も、親友も、所詮ただの他人なんだ。』
もう一人は周りに愛され、楽しい毎日を送ったが、
家族に恵まれず、既に絶望へ染まってしまった。
『家族なんて所詮縁の切れない他人だ。
特別な時間を過ごした友人こそ信じたい。』
二人は全く違う人間のように思える。
一生出会うことのない、相容れない二人だろう。
しかし、類は友を呼ぶという
縁とは不思議なものだな。
絶望の底で出会った二人は、
どちらより深く、暗い絶望の底にいるかを
競っているようだった。
お互いが当たり前のように幸せだった環境を
相手が持っていないことに心底驚いていた。
同じくらいの深さで、同じくらいの暗い場所で、
絶望に染まった顔一つせず、
幸せそうに、自分たちの闇を語り合っていた。
二人が出会うことで、
お互いの恵まれなかった所が報われるのでしょうか。
どちらも絶望へ堕ちるという不幸にはなったが、
本人たちは幸せそうだったため、
どちらも幸せである。
優劣は考えられなかった。と結論付ける
※この話は全てフィクションです。
あとがき (読まなくても大丈夫です。)
本当は物語にしたくて、シリーズ物的な感じで
お題に合わせながら、終わるまで書いていく
みたいなことをしたかったのですが、
書きたい時に書きたいことが書けなくなって
自分の重荷になると思ってやめちゃいました。
だから今回は終わり方が変な感じする。
まぁいいか。書きたいこと書けたし。
めでたしめでたし。
【ずっと隣で】
今頃、あなたは元気にしているでしょうか。
私は昔、あなたに酷いことをした。
どれだけ経っても癒えない深い傷、
今でも残っているでしょうね。
一生かけても償えない罪だ。
貴女と離れることで、少しの償いになったでしょうか
それとも罪と言いますか。
あなたのことは分からない。
ずっと一緒だったはずなのに、
何も知らない。
どうして私のような人を好いてくれていたのか…
未だに分からないのですから、
あなたの隣に立つ資格はもうありませんね。
次はもっとあなたを大切にしてくれる人にしてください。
また同じことになりますよ。
本音を言えば、
私があなたの隣に居たかった。
あなたの人生を隣で見ていたかった。
最後まで、ずっと一緒だと思っていた。
もう過去は変えられない。
届くはずない光に少しでも触れられると
そう思った罰なのでしょうね。
長話になってしまいました。
あなたにも未練があるというのなら
私なんか気にせず前へ進んでほしい。
きっとあなたには良い人がその先にいるでしょうから
どうか、次に隣に立つ人は良い人でありますように。
ずっと貴女の幸せを願っています。
大好きでした。
【欲望】
才能があって、環境も良くて、
ストイックで、努力家で、
どれだけ努力しても届かないような
住む世界が違う人達。
いわば憧れの存在。
いくら手を伸ばしても届かない。
背伸びしても、跳んでも、同じことだ。
遠い遠い場所にいる。
星を掴もうとするくらい無謀な行為だ。
それでも手を伸ばすのを辞められないのは、
あの輝きから目を逸らすことはできないのは、
私が欲張りだからでしょうか。
才能もないし、努力すらまともにできない
そんな夢想家に叶うはずないって、
分かってるよ。
興味のある知識を吸収しても、
珍しい知識を学ぼうとしても
全部浅い所で終わってしまう。
浅く知ったところで何ができると言うんだ。
私はどうせ何も成せない。
興味のあることが才能というのならば、
私は興味の無いものに出会ったことがない。
全部知りたくて、みんな欲しくて、
好奇心が止まらない。
でもどうせそんな時間はなくて、
諦めちゃうんだ。
一つを学んでしまえば、
他のことはもう出会えないと思って、
浅くてもいいから全部を知る。
だから深く知識のある人達は
努力なんて諦めてる私には届かない。
分からない、知りたい、教えてくれ。
音楽も、学問も、趣味も、友人も、
等しく深く広く知りたい。
一芸じゃ物足りないから、
二も三もそれ以上を求めてしまう。
私は、この世で一番強欲な人間だ。
あの日見た夜空が忘れられない。
それはそれは美しい星空だった。
見た誰しもがあんな星になりたいと思うだろうよ。
だから私は星空になりたかった。
これは とても素敵なことで、本当に残酷なことだ。