目が覚める。隣にいたはずの彼は居なくシーツは冷たくなっていた。ただカーテンの隙間から朝日が入り込みその光が温もりを放っている。
「あなたの温もりが目が覚めるまで欲しいのに……。あなたはいつも起きたらいないのね」
それでも彼を愛してしまった。都合のいい女と言われていても諦めきれないほどに。
「それでも一夜だけの夢を見せてくれるなら」
その都合のいい女でさえも嬉しいものだ。
ここが人生の岐路か……
私はどちらに進もう?
生憎とどちらに転がり込んでも問題ないのだが周りがうるさいのだ。
とある人はこっちに進め、またとある人はこっちの方がいい……という感じで………。
ふむ、それならば第三の道を歩んでいこうじゃないか。
なに、私の人生なんだから好きに歩ませてもらうよ。
貴方達の勧めてきた物事はアドバイスとして心に刻んでおこう。
私は君らの人形では無いからね。産んだからと言って縛り付けないで欲しいかな。ちゃあんと意思がある同じ人間なのだから……ね?わかるだろう?
明日世界が終わるらしいよ
僕達はまだ旅の途中なのにね
どうしようか?
このまま先に進んで途中で終わるのを待つ?
それともキスでもしてみる?
え?僕は君のことを一人の女性としか見た事がないよ?
今気付いたの?……困ったなぁ………。これじゃあ諦めきれないよ。ああ、世界が終わるのが悲しいくらいに残酷だ。
楽園とはなんだろうか?
自分にとって過ごしやすいところが楽園なのか
だがそうなると他者にとっては過ごしづらい楽園ができてしまう
かといって皆で決まり事を決めてしまうとそこは楽園とは言えない。幾つかの縛りがあるから
たとえ間違いだったとしても君を信じるよ。
家族よりも誰よりも俺を初めて肯定し必要としてくれたのが君だったから。
命を懸けて君を守るよ。
君にとっては道端に転がっている石と同等だろうけれど君しかいないから君の奴隷にも道化にもなってやるさ