風が吹く。
ピュウピュウ、ザワザワと風が吹く。
風に吹かれて落ちた木の葉は、地面につかずに回っている。
グルグル回って、渦の中心に集まってく。
集まった木の葉はまた風邪に飛ばされる。
私の中に集まってしまったモヤモヤも飛ばしてくれないかな。
あの日作った夢の種、2人で作った夢の種。
必ず作り上げようと、何年かかっても作りあげたいと、一緒に願った夢の種。
君は望んだ別の夢。
実らず枯れた夢の種。
夢の続きなんて来なかった。
雪が降った。
今年初の雪だ。
年が明け、一段と寒くなった気がする。
暖かかった年明けから、また冷えてしまった私の心のよう。
どれだけ大丈夫と思おうと、どれだけ忘れたいと願おうと、なかなか思い通りには行かない。
まだまだ寒さが続いていく。
暖かいは程遠い。
明るくなり始めた空に、少し焦りながら準備をする。
外に出れば、キンと冷えた空気が体温を奪い始める。
この冬特有の空気が案外好きだ。
白く息を染めながら坂道を登る。
登りきれば、1人2人と同じように待つ人に出会う。
一言挨拶をすれば、私も東に顔を向けその時を待つ。
動きを止めた体は途端に冷えて震え始める。
そんな寒さに耐え、まだ日が昇らない空を見る。
今年はいい年になるといいなと雲一つない空見て思う。
顔を戻すと、もうすぐだ。
山を影に光の点がゆっくりと広がっていく。
光を直視する目に存在を刻みながら、太陽は上る。
手を合わせてしまうのは、日本人の性だろうか。
あけましておめでとうございます。
良い年になりますように。
短いようで長かった。
1年の間に多くのものを得た。
それはこれからも生き続けるだろう。
1年の間に大切なものを失った。
それは傷になり、膿んでこれからも苦しめてくるだろう。
不幸と幸福は同じ量やってくるらしいが、今の釣り合いはどうなっているのだろうか。
不幸は立て続けにやってくるらしいが、今度は何が来るのだろうか。
なんにせよ、私は負けないように折れないように生きなければならないらしい。
良いお年を。