『隠された真実』
知られると都合が悪いから。
誰かを傷つけるから。
約束したから。
どんな理由かわからないけれど、真実を隠すというにはなにかしら事情があるのだろう。
知らないままでいた方が幸せ。
ということも、世の中けっこうあると思っている。
『風鈴の音』
幼い頃、祖母の家で。
縁側でスイカを食べ、いとこ達も一緒に庭に向かってスイカの種を飛ばす。
誰が一番遠くまで飛ばせるか。
窓には吊るした風鈴。
風に揺られるたび、ちりんちりん、と鳴っている。
絵に描いたような古きよき昔の夏の風景。
今となってはまるでおとぎ話のよう。
美しい夏の想い出。
そしてスイカの種飛ばしは、いつも明治生まれの祖母が一番強かった。
昔の人の肺活量はあなどれない。
『心だけ、逃避行』
やばい。寝坊した。
アラームが鳴らなかった?
いや、鳴ったのに止めちゃったのかな。
どうしよう。
今から急げば間に合う?
5分で支度して
駅まで走れば…
うん、一旦落ち着こう。
アイスコーヒー飲も。
あ、カフェオレにしよ。
…今日も暑そうだな。
『冒険』
冒険という言葉を調べてみると、
冒険とは、日常とかけ離れた状況の中で、なんらかの目的のために危険に満ちた体験の中に身を置くことである。
なのだそうだ。
これを私の人生の中であてはめて考えると、一番近いのは“出産と育児”だと思った。
確かに言われてみれば、望んで産んだものの、たいして子どもが好きなわけでもなかった私にはかなりの冒険だった。
そしてそれは今も。
ちょっと語弊があるかもしれないが、私にとって、子育ては人生をかけた“冒険”と“娯楽”。
子どもは面白い。
『あの日の景色』
幼いころの父と過ごした日々。
バドミントンを一緒にやってくれた。
サイクリングに連れていってくれた。
仕事帰りにキャラメルを買ってきてくれた。
休みの日、よく日曜大工をしてくれた。
家族旅行に連れて行ってくれた。
バドミントンはすぐ休憩してたし、
サイクリングは実は私はそんなに好きじゃなかった。
キャラメルもちょっと飽きてたし、
日曜大工は完成度の微妙だったものも多いし、
家族旅行も、あまり計画を立てないのが旅の醍醐味だと言って謎に行き当たりばったりだった。
決して完璧ではない。
けど、私にとってはたった一人の面白い父。
あの幼い日々のこと、私は覚えているよ。
お父さん、あなたがすべて忘れてしまっても。