『夢見る少女のように』
キラキラのお城に住みたい
栄養バランスの取れた、太らない食事を
誰か作ってほしい
気温やTPOに合わせた、キレイな服を毎日
誰か用意してほしい
適度に甘やかしてほしい
ちやほやされたい
夢見る少女というか…
ただの今の私の願望だった
少女のころには何を夢見ていたのか
…もう思い出せないな
『さあ行こう』
さあ行こう
すぐ行こう
誘惑だらけのこの道を
脇目もふらず
子どもの手を引き、足早に
時間は待ってくれないよ
え?ガチャやりたい?
何を言っているのかわからないよ
ガチャガチャなんて見えない見えない
え?たくさんあるって?
そんなまさか、気のせい気のせい
さあ行こう
早く通り過ぎよう
『水たまりに映る空』
雨上がり、道路にあった水たまりに空がキラキラと光ながら映っていた。青い空に雲が流れているのがわかる。
キレイ。
ふと足を止めて見入ってしまった。
すると次の瞬間、一台の車が勢いよく水たまりの上を通り過ぎていった。
ばっしゃーーん!という音とともに、水が美しい弧を描き私の足下を思い切り濡らした。
うーわ…。
びしょびしょだわ。
最悪。もう帰ろう。
こうなったらもういいや。
私は子どものように水たまりにじゃぶじゃぶと入っていった。
『恋か、愛か、それとも』
恋か愛か…どっちでもよくない?
自分も相手も大切にできるなら、
どちらも正解だと思う。
たとえ思うような結末にならなかったとしても。
危ないのは執着。
恋愛と勘違いしやすい。
どちらかが犠牲になるなら、
それはもう恋や愛とは別物。
でも経験してみないと、その違いはわからなかったりもするから、みんなどんどん恋愛したらいい。
特に若いうちは。
年齢を重ねてからの、愛情と勘違いした執着は、泥沼にはまってしまいそうだから。
そのときめきは恋か、愛か、それとも…本当は動悸かも。
『約束だよ』
友達の様子が少しおかしい。
小さなことに異常にこだわっていたり、話していてもこちらの話が届いていないような、少し情緒不安定な感じ。
もともとは、頭の回転が速く、冗談ばかり言っているような明るい子だったのに。
私はそんな彼女に連絡をし、遊ぶ約束をする。
映画を一緒に見に行こう、とか、ランチをして散歩、とか。なんでもいい。
小さな約束をたくさんする。
楽しみにしてるね!とあえて元気に。
彼女が孤独にならないように。
自分だけの世界にいってしまわないように。
約束だよ。
いなくならないでね。
お願いだから。