『恋か、愛か、それとも』
恋か愛か…どっちでもよくない?
自分も相手も大切にできるなら、
どちらも正解だと思う。
たとえ思うような結末にならなかったとしても。
危ないのは執着。
恋愛と勘違いしやすい。
どちらかが犠牲になるなら、
それはもう恋や愛とは別物。
でも経験してみないと、その違いはわからなかったりもするから、みんなどんどん恋愛したらいい。
特に若いうちは。
年齢を重ねてからの、愛情と勘違いした執着は、泥沼にはまってしまいそうだから。
そのときめきは恋か、愛か、それとも…本当は動悸かも。
『約束だよ』
友達の様子が少しおかしい。
小さなことに異常にこだわっていたり、話していてもこちらの話が届いていないような、少し情緒不安定な感じ。
もともとは、頭の回転が速く、冗談ばかり言っているような明るい子だったのに。
私はそんな彼女に連絡をし、遊ぶ約束をする。
映画を一緒に見に行こう、とか、ランチをして散歩、とか。なんでもいい。
小さな約束をたくさんする。
楽しみにしてるね!とあえて元気に。
彼女が孤独にならないように。
自分だけの世界にいってしまわないように。
約束だよ。
いなくならないでね。
お願いだから。
『傘の中の秘密』
病院からの帰り道。
雨の中、息子の手を握りしめたまま、ぼんやりと歩いていた。
夫に病気が見つかり、手術をしなくてはいけなくなってしまったのだ。
手術のこと、お金のこと、これからのこと、幼い子どもを一人で見ること、すべてが不安だった。
ふと息子を見ると、不安そうに私の顔を見上げている。いけない。思い詰めた顔をしてしまっていたのかもしれない。
息子を安心させるように微笑んでみる。
すると、息子は大きな目をぱちくりとさせ、私の手をぎゅっと握り返すと、舌足らずな言葉で
「おかしゃん、だーいしゅき!」
と言った。
鼻の奥がツンとした。
そうだ、私がしっかりしなくちゃ。
「ありがと。お母さんも大好きだよ。」
うまく笑えたかな。
それだけ言うと、慌てて傘で顔を隠した。
不安をこの子に気付かれてはいけない。ふいに落ちてしまった涙は私だけの秘密。
『雨上がり』
地下鉄の階段を降りるときにはどしゃ降りだったのに、電車が地上に出ると外は晴れていた。
七人掛けの一番端に座って、ぼんやり外を眺めて思った。
あ、雨やんでる。
荷物多いから、助かった。
わぁ、虹だ。キレイ。
久しぶりに見た。
良いことありそう。
電車が止まり、ちょっと良い気分でホームに降り立つ。まだ少し残る雨の匂いが心地よい。
改札を出て、洗われたような空気を胸一杯に吸い込んだ瞬間気が付いた。
うわ、やっちゃった。
傘忘れた。
ビニール傘じゃない、お気に入りの傘ほど無くしがち。
『勝ち負けなんて』
勝ち負けなんてあまり考えないな
と思っていたけど
誰かの頑張っている姿や成功を見ると
つい焦ってしまう
負けている気になるのかもしれない
人と比べても仕方がないのに
まだまだ未熟者だなぁ