『手紙を開くと』
手紙を開くと、そこには懐かしい母の字がある。
結婚前、あまり家事をしなかった私を心配し、おもに料理の基本を書いた手紙。
青、黄、赤、白、黒色の食材をバランスよく使えばだいたいの栄養が取れる、とか。
お米に鷹の爪を入れると虫がわかない、とか。
糊がない時は、ご飯粒が糊の代わりになる、なんていうのもあった。まるで舌切りすずめの世界。
普段は使わないであろう、災害時に役立ちそうな生活の裏技?まで事細かく書いてあり、よほど心配だったのが見て取れる。
それでも当時、まさかあんなに早く逝ってしまうとは、本人も思っていなかったに違いない。
お母さん、お手紙ありがとう。
って、もらった時にもっとちゃんと伝えれば良かった。
『すれ違う瞳』
デパートのストール売場。
並べられた商品を眺めて歩きながら、何気なく隣にいた女性の足もとに目をやった。すると、薄いコートの裾から値札の付いたストール。
足が止まった。
その女性はストールを肩にはおり、その上からコートを着たのだろう。大胆な。でも値札見えてる。
-万引きだ。
驚きすぎて固まったまま、値札から目線を上げると、女性と目線がすれ違った。
その瞬間、女性も私に見られたことに気付いたのだろう。
何事もなかったようにコートを脱ぎ、ストールを棚に戻すと足早に去っていった。
私はしばらく立ち尽くしてしまった。
その女性がその後どうしたのか、その時だけの出来心だったのか常習犯だったのか、今となってはわからない。
でも、防げて良かった。
『青い青い』
小さい頃に祖母と散歩をしていて、
「信号が青いから渡るよ。」という祖母に、
「信号、青くないよ。緑色だよ。」と言った私。
また別のときには、
「夏だから、山が青々してるねぇ。」という祖母に、緑色にしか見えないのに…おばあちゃんには青く見えるのかな?とただただ疑問だった。
成長するにつれてもちろん色々と理解してきたのだが、日本語って面白いなぁと思う。
緑色を青の一部として表現するような雑さがあるかと思えば、同じ赤色でも朱色やら緋色やら茜色やら、やたらと細かく分けていたりもする。
どういう歴史があってこうなったのだろう。ちゃんとした人は調べるのかもしれない。
どうでもいいけれど、信号って今は本当に青くなってますね。
『Sweet memories 』
ちっちゃくてまあるいほっぺ
短い両腕を一生懸命あげて、せがんてきた抱っこ
はじけるような笑顔
びっくりしただけでも大泣きして
折紙が思うように折れないと怒り
怖い夢を見たと布団にもぐってくる
愛しい、甘い記憶
あの時の子どもたち、どこにいった?
あの頃の子どもたちに一時間だけ会いたい
というか、それ以上はもう無理
何から何までお世話するのはもうキツイ
『風と』
何かで見た。
2020年から現在、今は風の時代なんだそうな。
それまでは土の時代で、物や財を持つことが重視されたが、風の時代となった今、情報や知性、意識など形の無いものを重視する時代になったんだとか。
小難しい。
それが良いことなのかもよくわからないし。
よくわからないけれど、風の時代というなら、気ままに吹かれてみるのもアリなのかも?
風来坊みたいな。
そうか、寅さんが最強ということか?
何を書いているのかよくわからなくなってきた。
今日は寅さんの夢でも見るかもしれない。
映画をちゃんと観たことはないのだけれど。
おやすみなさい。