御召茶

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12/4/2024, 8:21:16 AM

さぁそろそろ。

座り慣れたソファから立ち上がり、肩掛けのバッグを身につけて忘れ物がないか辺りを見回す。

『寒いから、気をつけてね。』
『うん、ありがとう。君もね。』

ずっと買い替えたかった靴を、いつものように履いたら君の方へ向き直して目を見つめる。

『『じゃあね…』』

『ふふ、かぶっちゃった』


……

『じゃあね』

ドアを開けると、もう日が傾いているのが見える。
ドアノブを君に任せて、手を振って、歩き出す。



次はいつ、会えるかな。
大好きなこの曲を聴きながら、夕日と共に違う場所へゆっくりと進む。

ドアノブを掴む手とは逆の手が、君の顔の方に向かっていく光景を何度も思い返しては、歩く。
歩き続ける。


歩き続けなきゃ…。


最後の言葉はあれで良かった。

12/2/2024, 11:25:33 PM

昨日の夜かけた目覚ましが鳴ってしまった。

もう窓の外の光がカーテンの隙間から流れてきているんだろう。目を瞑っていても少し眩しい。

まだこのまま、あなたの体温で心地よいこの場所から動きたくないな。

もう一度深い眠りについて、パチッと目が覚めたらいいな。


そんなことをうっすら、ぼんやり、頭の中に置いたまま、寝ているあなたにキスをしてから起き上がる。


まだ、カーテンは開けないでおこう。
まだ、幸せを感じ続けたい。

この光と闇の狭間で-。

12/2/2024, 7:36:30 AM

今、あなたが読んでいるこの文章。

私はこの文章をスマートフォンで打ち込んでいる。

あなたもきっと、スマートフォンで読んでいる。

同じような体勢で、同じような操作をして、同じような不思議な気持ちを感じながら。


時間も、場所も、性別も、見た目も、何もかもが違って他人の私たちの心の距離は果てしなく遠い。

それでもおなじ空間にいられるような感覚。


不思議な距離。

11/28/2024, 1:23:33 PM

たった一言、彼が放った私への暴言。
私は常に、受け止めてはすぐに捨てるように心がけている。
もう一年以上。毎日とまでは行かないが、続いている現状。
私が受け止めて捨てることを繰り返せば、私たちの関係は終わることは無いし崩れることもきっと無い。

彼のことは好きだ。
簡単な気持ちだけで結婚したわけじゃないのは事実で、何もかもを受け入れて、何もかもを受け入れて貰えると思っていたから。
毎日の笑顔は絶やしていないし、感謝の気持ちもある。

『終わらせないで』

私の頭の中にいる、彼を心から愛する人格が、今日も私に繰り返させる。

終わらせないよ。
まだね。


つらくても、あなたのために私は繰り返す。
終わらせないよ。大丈夫。
私も終わらせたくないから。