ナンチャラ

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3/22/2024, 6:36:47 AM

―ゴミ山の中にちっちゃくて、きたないけど、
キレイなお人形をみつけました。うれしかったです。


―お人形はすこし、やぶれていて、かわいそうだと
思いました。でも、ワタシは直せません。
こまりました。


―お人形さんのためにお洋服をかってあげたいです。
お金はないので、つくってみようとおもいます。


―お洋服はつくってあげられませんでした。
ワタシのお洋服でがまんしてもらうことにしました。

      〜とある少女の日記より〜




少女が死んだ。
天に、神に見放された少女は死んだ。
その少女は小さな人形を持っていた。
最後まで見捨てることなく、ずっと一緒にいたのだ。

        孤独な二人に祝福を
      二人ぼっちの世界に終止符を――



3/7/2024, 2:15:55 PM

真っ黒なパレットに、色を落とすの。
たった一つ、丁寧に、優しく。
真っ黒なパレットに意味を与える為に。
独りじゃないよって言ってあげる為に。

ほら、もう真っ黒じゃぁないよ
もう、独りじゃぁないよ


――って言って、欲しかった。
  君は、良かったねぇ。
  

   
   真っ黒な空には、大きな明るい月と
   無数に瞬く小さな星が見えた。



それは何処となく、何だか、嬉しそうに見えて、

3/3/2024, 11:57:57 AM

小さな人形はおなごの為に。
おなごの身代わりとなる為、川に流され
沈み、誰に見守られるでもなく死んでゆく。

誰かの代わりとて、侮るなかれ
人形だとて、無価値と決めつけるなかれ

誰にも見られぬ人形は、自分の無価値を思い、死ぬ
水の中はさぞ冷たかろう
辺りを見れば、己と同じ運命が、
小さな沈みゆく命がみゆる

同じ運命の者が集まるならば、
そこは楽園と成りうるか。

小さな人形は小さく笑った。

2/27/2024, 8:47:15 AM

君は今、何処にいますか。
ワタシの愛しい人。
ワタシと同じ思想を持つ人。
ワタシを救い、ワタシが救った人。

君は今、川を流れているのでしょうか。
薬を呑んでいるのでしょうか、
腕に、赤い花を咲かせているのでしょうか。
縄で遊んでいるのでしょうか、
風に吹かれているのでしょうか。


いつかまた、遭う事が出来たなら、一緒に楽しく、
旅しましょう。
人生に一度きりの、素敵な旅へ。

2/25/2024, 1:57:24 PM

きっと、貴方の瞳もそうだった。
あの人の大きな手も、大好きだったその人の音も。
皆、みんな優しかった。

いつか戻ってくるのだと思っていた。
微笑みをうっすら浮かべて、前の様に。
優しく、包み込んでくれるのだと、思っていた。
錯覚していた。

ところが、ところが。
何時まで立っても、あの優しさが戻って来る事はありませんでした。
まぁ、分ってはいたんですよ、でも、でもね。
ほんの少し、一握りの可能性。
信じていなかった訳がなかった。



――嗚呼、空よ。
ワタシ達を見つめ、流れる者よ。
そんな憂いを帯びた様な顔をしないで下さい。
ワタシは貴方と同じ、周りに誰もおらず、愛されざる者
なのです。
貴方の気持ちが痛い程に良く分かります。
貴方の側に居ますから。
貴方は、この貴方と同じ、憂いを顔に浮かべた、愚かな
人間と一緒に居て下さい。

ほんの少し。一時の間で良いのです。
ワタシの側に、居て下さい。


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