『泣かないで』
私って冷たい女なのかな。
みんなのように泣けないし。
別に全く泣かないってわけじゃない。
もちろん嫌なことがあったり、つらいことがあったら泣いてしまう。
けれど、部活のコンクールで金賞とったり、体育祭で負けたりしても、卒業式でも、泣いたことは無かった。
それほど本気で取り組んでなかったってことなのかな。
思い入れが無かったってことかな。
確かにみんなのように熱くはなれなかったけど、自分なりに楽しんで参加したのにな。
負けちゃったものは仕方ないじゃん。
卒業しても仲良い人とはLINEで連絡とれるじゃん。
そうやって泣いているみんなに
「なんで泣いてるの」
なんて言えるわけない
でも、理解したいとは思ってる
友達が泣いている理由くらいは知りたいじゃん
そう、私も知りたいんだよ
だから
『泣かないでよ』
『冬のはじまり』
あ、もう8時じゃん。やばい。
急いで靴を履いて玄関を出る。
アパートだから階段を5階分降りて。
外の空気が肌に触れる。
いつもより冷たくて乾燥した風が髪を揺らす。
やば、これは寒い。
でも歩いてたら熱くなるんだよな。
だからといって玄関出たこの瞬間の寒さは慣れない。
防寒具をなにか持ってくるべきだったか。
ただでさえ遅刻しそうなのに戻る時間はない。
明日はもっと冷えそうだなぁ。
行ってきます。
『眠りにつく前に』
私は朝に弱く、夜に強い。
もちろん毎日、明日も学校はある。
だが中々寝付けない。
朝起きる時間は決まっているのに。
睡眠時間が長くなる。
そして学校が嫌な時、日付が変わって欲しくないから
余計によふかししてしまうのだ。
あぁ、明日は文化祭
やっと部活が終わる。
怖い顧問からも開放される。
私は学年劇の端役をやる。
さほどセリフはないけどね
でも、明日は朝7時15分に集合して
顧問には関係ないはずなのに
演技について
「下手」「もうちょい上手くやれないの?」
「部活の代表として出てるんだから」
って、今日のように言われなきゃいけない
たしかに部活でキャストなのは私だけだけど、
別に代表で出てるわけじゃない。
顧問の先生、私あなたがいちばん怖いんです。
確かに泣く演技をしなきゃいけないけれど
あなたに少しでも言われるだけですぐ泣きそうになってしまう。
嫌いで怖いからこそ、泣いている姿なんて見せたくなかったのに
悔しくて、つらくて、泣きたくて
怖い。
後輩も今日あなたに言われて泣いていたね。
それなのに笑う先生が怖い。
わたし、あなたの声を聞くだけで、見るだけで、
怖くて隠れてしまうようになったんです。
先生、わたしもうつかれました
あぁ、明日にならなければいいのに
眠りにつく前に色々考えちゃって
あぁ、今日もまた眠れない
『愛言葉』
私たちだけにわかる合言葉を作ろう。
そう言い出したのは君だった。
急だな、と思ったけど楽しそうだったから、やろうと言った。
考えている時、ふと君は言った
「君が生まれ変わっても、私のことを忘れてしまっても、私は迎えに行くから」
思わずキュンとしてしまった。この子は僕よりよっぽどかっこいい自慢の彼女なのだ。
「…それは嬉しいな。じゃあ僕は君のことを信じて待ち続けてるから」
君と会えるなら、僕はなんだってするから。
迎えに来てよね。
「その時にあいことばを言おう」
『愛してる』
それは、僕らだけにわかる愛言葉
『どこまでも続く青い空』
私は空を見るのが好きだ。
特に夕焼けのときの青からオレンジに変わっていく所とか好き。
淡く色が変わってるのも良い。
雲に夕日がさして立体的に見えるのも良い。
星空は1番好きだけど田舎じゃないと見れない
でもやっぱり、1番見てるどこまでも続いてる青い空も好き。
同じように見えても毎日違う色。
淡い水色だったり、まるで海のような蒼だったり。
移りゆくこの空が、自然が私は大好きだ。