『束の間の休息』
受験生にとってスマホは天敵。
すぐYouTubeとか見たくなっちゃう。
そもそも塾に行って遅い時間に帰るのでゲームする時間もない。
時間があるとすれば塾のコマの間にある10分間。
まさに束の間の休息って感じで
出来ることならゲームしたいけど、そんなに10分は長くない。
そんな時間にこの短い小説を書くのが僕の楽しみなんだ。
みんなは僕の書く小説をどう思ってるんだろう。
少しでもみんなに沢山読みたいと思って貰えるような小説が書けるようになりたいな。
夕焼けに照らされた教室。
「帰らないの?」
「帰りたくないの。」
君の顔は影で見えなかったけど
泣いているのは何となくわかった。
「なら僕と踊ろう」
「最初で最後の最高の舞台だ」
「…なにそれ」
君は少し笑った
だって、君の最後を僕で独り占めできるんだ
止めはしないよ
君が苦しむこの世界が悪いのさ
「あー、寂しくなっちゃったな」
その日も綺麗な夕焼けで
僕は1人踊ってた
「君に会いに行くよ」
『また僕と踊ってくれますか』
ふとした瞬間に考えちゃって
つい目で追っちゃって
これあの人の色だ、なんて
違う、好きなんかじゃない
ただ、気になってるだけ
ざぁ、と風が吹いて
木の下で光を浴びているあなたが
目線の先にいるあなたが
花びらに包まれて消えてしまいそう、なんて
さらり、ふわり、
やわらかそうな髪を揺らして
優しく笑うあなたはとても綺麗だったから
あぁ、『本気の恋』をしてしまった
してしまったのだと、気づいてしまった
ごめん、ごめんなさい
早く嫌いになれたらいいのに
本気になってしまった
いま、
あなたは白いタキシードを着て
傍にかわいらしい彼女がいる
ごめん、
お願いだから
「幸せになってね」
「大好きでした」
『カレンダー』
ぺらりとカレンダーをめくる。
あぁ、あの日が近い。
毎年のあの日はどうしてもいい気分にはなれない。
なんでかな、とか考えても、理由はひとつしかないけれど。
そうだ、今日は盆だっけな。、
きゅうりとナスで作ったヤツでもおいてみようか。
それで君が帰ってくるなら、それほど幸せなものはないよ。
ねぇ、今でも好きだなんて言ったら君怒るかな?
君の命日がもうすぐやってくる。
「愛してる」