これからも、ずっとこの仲間と楽しんでいたい。
時には喧嘩して
時には祝福して
支え合えたら良かったな
「心臓って、色んなことに対してドキドキするよね」
親友のその言葉を聞いて、私は考え始めた。
(確かに!恋したらドキドキ、怖くなってもドキドキ、走ったらドキドキ、エッチしてイったらドキドキする!天才やなぁ)
私は親友にこう答えた。
「確かに色んな種類あるよねー。恋、恐怖、走る、エッチ。私が思いつくのはこんくらい?」
親友は、目をにんまりさせながらこう言った。
「じゃあさ、もう一つ教えてあげる」
続けて、親友は言った。
「裏切られた後の ド キ ド キ !この後、すぐ私ちゃんも体験できるから安心してね!」
その不可解な言葉に、私は首を傾げた。
すぐ、どういう事かわかった。
なぜなら、私の彼氏が来て、親友と体を触り始めたからだ。親友はこう言った。
「彼のエッチ、凄いんだから。私たち、相性がいいの!考えただけでドキドキしちゃう!だから、不良品のあんたは彼とさっさと別れたら?その方がお互いの為でしょ」
そう言い捨てて、親友と彼氏は去っていった。
別に私は悲しくなかった。むしろにんまりしすぎて表情筋がおかしくなるくらいだ。
その日の夜、ある一室のラブホテルの会話だ。
「はぁはぁ、もう、あの時ドキドキしちゃったじぁん!事前に話し合わないと!まぁ私ドキドキした演技してただけだけどね!」
「ふー、でも。あの時の顔、可愛かったなー!
俺のあそこを抑えるの、大変だったぞぉ?責任とって貰うからな」
「ところで、〇〇(親友の名前)とほんとに相性いいの?」
「いぃや?少なくとも、俺が感じさせてやって演技してるだけ」
「やっぱりねぇ!〇〇たん(彼氏のあだ名)が私以外を選ぶわけないもん♡」
あの子のご飯、可愛い。
あの子のご飯は質素だけど、愛が詰まってそうで良いな。
私のご飯は・・・。
なんの個性も無い。
そう思いながらご飯をちびちび食べていたら、あの子から「君、父子家庭でしょ?おとうさんが頑張って作ったって感じして良いな」
コレが無いものねだりかぁ。
そう、心から感じた。
好きじゃないのに気になってしまう。
好きって感情が分からなくなる。
好きなのか、友情的な感じなのか。
とにかく好意的な感情を抱いているのは理解出来る。
あの子と喋るたび、自然と口角が上がる。
あの子もまた、私みたいに口角が上がる。
コレが友達以上恋人未満か・・・?
それとも好意をお互い隠しているだけ?
告白した方が良い?
恋愛にお互い奥手なのかな?
普段飽き性な私でも、あの子の事を考えると時間が勿体無いほど溶けるのだ。
なんだろう。モヤモヤする。
なのに。
なんだかドキドキする感情が少しずつ湧き出てくる。
あの子、ほんと馬鹿みたい。
人が傷つくような事いっぱい話すの。
でもさ、私も馬鹿らしいの。
人の悪いところしか見れないの。
実際には言わないけど、人が傷つくような事たくさん考えてるの。
あの男の子も、女の子も馬鹿みたい。沢山の人が馬鹿に見えるの。欠点しか見ないからね。
そんな私はそのまま成長したの。
少しずつ。少しずつ。難しい言葉も使うようになって。
あの子もそうかなぁ?私みたいなろくでなし?
分からないなぁ。「私は馬鹿だから」
その言葉を免罪符に、今日も人の悪い所を見ながらしっかり少しずつ成長していく。