11/23/2025, 9:25:35 AM
小さい頃祖母に何のお花が好きか聞いたことがあって、紅色のお花がいいねという答えだった
濃いピンク寄りの赤だけどピンクでない、赤紫よりはずっと赤い、そんな色の花が好きだと
かなりあと、祖母が亡くなってしばらく経ったくらいのある日、祖父がふと祖母が好きだった松葉牡丹の紅色という表現をしていてようやく記憶の中の紅が鮮やかに発色した
: 紅の記憶
11/21/2025, 12:08:33 PM
その欠片がピッタリ嵌まる処は一つしかなく、目の前にあるとも限らず、既に失われたものかもしれないのに
それをわかってあなたがずっと握っているのを知っている
いつかふたつに割って私にひとつ、くれませんか
: 夢の断片
11/19/2025, 10:46:02 AM
曇りガラスの部屋に息が詰まる
大抵は嵌め殺しの窓なのではないか
吹き抜ける風もなく視界も無い閉塞感
近視が進んで光しか感じなくなった先は
こんな世界なのではないかと昔から怖かった
そのイメージから抜けられない
: 吹き抜ける風
11/19/2025, 3:17:59 AM
頼りない光の前では輪郭の一部とぼんやりとした正面側だけがようやく見える
ディティールや裏側はどう頑張っても無理だった
それを照らす理由が自分でも解らない
ふと思い出した淡く薄気味悪い記憶たち
: 記憶のランタン
11/17/2025, 1:20:10 PM
冬の始まりに生まれたばかりのわたしは、社宅の部屋が15℃を下回ると必ずぐずっていたと父から聞いた
むずかる理由をあれこれ検討して気温にたどり着いたのがとても父らしい
今でも毎年15℃を境に小さいわたしが冬へと走り出すのだ
: 冬へ